沈む冬の星座



新年度になって3週目に入ります。普通なら明日あたりから、会社も学校も落ち着いてくる頃でしょうが、今年は新型コロナウイルス騒ぎでたいへんです。世の中とは違って、星空はいつもと変わらず、春の星座が見えています。

今週、見ておいた方がいい天体は、どのあたりですか?

今日は月齢19で、夜遅い時間になると月が昇ってきます。夕方から22時ぐらいまでに星を見た方がいいです。下の図は、今夜21時の西の空です。

4月12日 21時の西の空


オリオン座が沈みかかっています。オリオン座をはじめとして、冬に見える星座が沈もうとしています。おおいぬ座とおうし座も西の地平線近くにあります。そしてその上に、ふたご座とぎょしゃ座があります。そのあたりが冬の星座です。今週は、夕焼けが終わって、暗くなった西の空に、沈んでいく冬の星座が見えます。
真上ではなくて、西の地平線方向なら、首を曲げなくて済むので見やすいですね。空の高いところだと、つらい体勢で見上げることになりますが、地平線のちょっと上なら、普通に立ったままで見られます。ただ、空の低いところは、空気の層に光が吸収されて、暗い星が見えなくなります。

オリオン座の左上の1等星ベテルギウスは、これまでにないほど暗くなったと話題になりましたが、その後はどうなのですか?

明るさが戻ってきました。何で今までにないほど暗くなって、何でまた戻りつつあるのか、その理由がわかりませんが、一時的な現象だったのかもしれません。

超新星爆発は、しないのですか?

遠くにある星なので、ベテルギウスで何が起こっているのか、直接見ることが出来ないのでよくわかりません。超新星爆発は3日後かもしれないし、1万年後かもしれません。

「明日かもしれない」ではなく、「3日後かも」というのは、以前にも書きましたが、超新星爆発は予報が出来ます。ベテルギウスが超新星爆発する前日か、2・3日前に、ニュートリノという素粒子が大量にやってきます。日本にはスーパーカミオカンデという、ニュートリノ検出装置があります。オリオン座の方からニュートリノが来たことが検出されれば、明日か、2・3日以内に、ベテルギウスが超新星爆発するという、ニュースが流れます。今日の時点では、そういうニュースはありません。ですから、明日とか明後日ということはありません。
私たちは毎日星空を見て監視していなくても、そのニュースが流れた翌日から、オリオン座を見ればいいわけです。ただ、あと1ヶ月ぐらいすると、オリオン座は太陽の向こう側に行ってしまいます。それから2ヶ月ぐらいは、オリオン座が見えなくなります。
その間に、ベテルギウスが超新星爆発するのは、やめてもらいたいですね。










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