月・水星・金星



今日の夕方、西北西の低い空で、月齢2の細い月と水星、金星が接近して見えます。夕方の西の空ですから、みなさん、見られると思います。水星と金星に、地球照を伴った細い月が近づいて、3つの天体が三角形に並んで見えます。水星は単独では見つけづらいので、金星と月が近くあると、一緒に見られます。

地球照というのは、月の光っていない側も、うっすら見えるやつですよね?
どうしてそう見えるのか、教えてもらえますか。

5月24日 19:40の西北西の空


三日月とか、それよりも細い月は、光っていない暗い側も、うっすら見えています。そのため全体として、満月と同じように丸い形に見えます。この現象を「地球照」といいます。これは、文字通りの現象です。地球が月を照らしている、ということです。

月面に立って地球を見られたら、地球から見る月とは逆の形に見えます。月が三日月に見える時に、月から地球を見ると、まん丸より少し欠けた形に見えます。地球は月より遙かに大きい上に、白い雲や水があるので、太陽の光を強く反射します。月から地球を見ると、すごく明るいわけです。月面に立った場合、地球から見て、光っている部分が昼間で、光っていない部分が夜です。夜の月から地球を見ると、ほとんど丸くて、大きくて、すごく明るいわけです。その明るい地球が、月面の夜の地面を照らしています。夜の月面は、地球に照らされて明るいわけです。それを地球から見ると、月の夜の部分がうっすら光っている、と見えるわけです。

地球照は、細い月の時にしか見られないのですね。

肉眼でもはっきり見えるのは、今日と明日ぐらいまでです。
月と一緒に、一番内側の惑星の、水星も見えます。水星は今週と来週、見やすい位置にあるのですが、空の低いところにしか見えないし、さほど明るくないので、水星単独だと見つけにくいです。それが今日は、月と金星が近くにいるので、それが目印になります。水星はなかなか見られませんから、今日は絶好のチャンスです。
肉眼で見えますが、双眼鏡で眺めたり、写真に撮ってみてください。日の入り30分後の高度が10度前後とかなり低いので、西北西の空が開けたところで観察してください。


5月24日撮影の写真 撮影:木村敏郎氏









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