水星と半影月食



先週は、夕方の西の空に月と水星、金星が見えるというお話をしましたが、今週は、月は南の空に移動してしまって、金星は太陽に近い所に行ってしまいました。夕方の西の空には、水星だけが見えます。
月は毎日位置が変わりますが、今は金星の動きも速いです。水星は6月4日に、太陽から最も離れる、東方最大離角になります。
「東方最大離角」というのは・・・

水星は、地球の内側で、太陽に近いところを回っているので、太陽の近くにしか見えません。太陽の東側に最も離れるのが、今回の東方最大離角で、反対側に最も離れるのが西方最大離角です。水星が夕方の西の空で、一番見やすい位置にくるのが、東方最大離角の日です。ふだんはなかなか見られない水星を見るチャンスです。
6月4日というと、今週の木曜日です。日の入り後45分ぐらいに水星が見えるようになります。そのときの高度は約11度で、かなり低いですが、これでも水星としては、相当見やすい位置にあります。とはいえ、金星は水星から離れてしまって、近くに、目印になる天体がないので、見つけづらいかもしれません。

西の空を良く探してください。真西よりも少し北に寄った、西北西の空にあります。双眼鏡がある人は、それで探してみよう。肉眼でも見えそうですが、双眼鏡があると、もっと簡単に見つけられます。

6月4日 20時の西の空


今日はもう一つ話題があります。 今週の土曜日、6月6日になりますが、半影月食が見られます。
今年は普通の月食は、1回もありませんが、広い意味での月食は3回あって、いずれも半影月食です。

半影月食というのは、どういう現象ですか?

まず、月食というのは、太陽の光でできた地球の影の中に、月が入る現象ですが、地球には、「本影」という黒い影と、その周りに「半影」という薄い影ができています。半影月食というのは、月が本影には入らず、半影の中だけを通過する現象です。ですから見た目には、満月が少し暗くなるだけです。

肉眼で見て、暗くなるのはわかりますか?

今回は、よくわからないかもしれません。

何時頃見られますか?

食の始まりは2時46分ごろ、食の最大は4時25分、終わりは6時4分。明け方です。実は、食の始まりの時点で、薄明が始まっていて、食の最大になるころに、月の入りと日の出を迎えてしまいます。それなので、ほとんど月食とはわからないかもしれません。

今度の土曜日の早朝です。お休みの方は、月が少しだけ暗くなるのを確かめてみてください。


6月6日 AM 3:40 の月









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