海王星



今日の話の前に、みなさんに質問です。
太陽系で、一番外側にある惑星は何でしょう?

ある程度より上の年齢の人は、「冥王星」と答えてしまいそうですが、冥王星は惑星ではありません。「準惑星」という扱いです。冥王星は、惑星と言うには小さいのです。月より小さいです。小さいだけではなくて、他の惑星は、太陽の周りを、大体同じ平面上で公転していますが、冥王星はかなり傾いた軌道を回っています。それらのため、惑星とは別の天体という位置づけになりました。
そういうわけで、太陽系の一番外側にある惑星は「海王星」です。太陽系の惑星は、水星から海王星までの8つです。今日は、その一番外側の惑星、海王星の話です。

海王星って、見たこと、ありますか?

肉眼で見える星は6等星までですが、海王星は、だいたい8等星です。肉眼で見るのは全く無理ですが、双眼鏡なら見えます。双眼鏡にもいろいろありますが、大きめの双眼鏡なら見えます。でも、双眼鏡で星空を見ると、暗い星がたくさん見えて、どれが海王星なのかわかりません。普通の恒星と海王星を区別するのは、ほとんど無理です。
ところが、6月中旬の明け方、南東の空で火星と海王星が接近して見えます。最接近は6月14日で、2度弱まで近づき、双眼鏡で見れば、同じ視野に見えます。その日だけではなくて、1週間程度は、双眼鏡の同一視野に火星と海王星が見えます。
火星を目印にして、海王星を見つけるチャンスです。下の図のような位置関係になります。

6月14日 明け方の東の空

双眼鏡で火星のあたりを見るとこのように見えます
ただし、視野の広さは機種によって違います



海王星は火星の上にありますね。海王星は名前から連想するとおり、海の色、青っぽく見えます。ただ、双眼鏡で見た場合、暗いので、色はわからないかもしれません。
海王星が見える場所は、あまり変わりませんが、火星の方が動きます。上の図の右から左に向かって、1週間で、円の右端から左端まで動きます。肉眼では、毎日見ても、火星が移動しているのはよくわからないと思いますが、双眼鏡で見ると、かなり動きます。

今週から来週にかけての晴れた日には、火星の近くを双眼鏡で見て、海王星を探してください。











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