太陽



先週の部分日食は、栃木県は曇ってしまって、見られなくて残念でした。今は梅雨で、なかなか太陽が顔を出しませんが、今回も太陽の話です。

太陽の話の前に、まず、月です。月は地球の周りを楕円形に回っています。ですから、地球に近づいたり、遠ざかったりします。そのために、見かけの大きさが大きくなったり小さくなったりします。地球と月の距離が一番近くなったときに満月だった場合、「スーパームーン」と呼ばれます。1年中で一番大きい満月です。今年のスーパームーンは4月でした。反対に、今年一番小さい満月は10月末に見られます。

地球も太陽の周りを回っているわけですが、地球はかなり円に近い軌道を回っています。ですから、太陽が大きく見えたり小さくなったりはしません。でも正確に言うと、地球もわずかに楕円軌道です。一番大きい太陽と一番小さい太陽では、3%ぐらい、大きさが違います。3%ぐらいでは目で見てもわかりません。見てもわからない程度の差ですが、太陽から来るエネルギーはけっこう違います。

  太陽に近いときは、暑いわけですか?

今週末、7月4日に、地球が遠日点(えんじつてん)を通過します。太陽と地球の距離が一番遠くなる日です。夏は太陽から遠いのです。ここ数年、日本の夏は暑いですが、それでも太陽から遠い分、まだましなのです。太陽が一番近くなるのは1月です。

  冬は暖かくて、夏は涼しいのですね。

北半球の場合はそうなります。北半球は恵まれています。

  ・・・ということは、南半球では、夏は暑くて冬は寒いのですか?

北半球の人も、南半球の人も、それが普通だと思って、ずっと生活してきているので、特別、そうは思っていないと思います。でも、太陽から来るエネルギーの数パーセント差というのは、けっこうな違いです。

  今は地球温暖化が大きな問題になっていますが、太陽から来るエネルギーが変わると、温暖化が、いきなり寒冷化に
  変わってしまうこともあるのですか?

最近1万年ぐらいの間だけを見れば、太陽活動は安定しています。でも、恒星の活動はかなり変化します。太陽クラスの星の場合、100万年ぐらいの単位で活動状況が変化します。1万年安定しているからといって、これからもずっと、地球の気候が安定しているとはいえません。

  今後、地球がもっと暑くなったり、逆に氷河期になったりすることがあるのですか?

あります。
ここ数年、太陽活動が極端に弱くなっています。これが今後ずっと続いたら、地球は温暖化どころではなくて、氷河期に入るかもしれません。人間の活動によって起こる温暖化よりも、太陽活動の変化による気候変動の方が大きいのです。



下の写真は、太陽活動が最大に近い時期(上)と、現在の太陽面(下)
  *注  2つの写真の色の違いは、撮影条件の違いで、実際の太陽の色は同じです









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