月・木星・土星



8月になりました。8月最初の日曜日です。今日の話の前に、今夜22時の南の空を見てみましょう。



南の空には、いて座があって、その中に月と土星と木星が集まっています。月は月齢12で満月に近くてかなり明るいですが、土星も木星も明るいのでよく見えます。土星と木星は、先月、衝になりました。衝というのは、地球と木星、地球と土星の距離が一番近くなる日です。衝から1ヶ月も過ぎてないので、土星も木星も、まだまだ大きく見えます。
土星も木星も観測の好機で、今夜なら月も一緒に見られます。明るい天体が集まっているので、肉眼で見ても楽しめます。できれば天体望遠鏡で、3つを順々に見てみたいところです。望遠鏡の倍率は70倍から100倍ぐらいにして、同じ倍率で3つの天体を見比べると、大きさの違いがよくわかります。
見比べてみると、土星も木星も小さいです。どちらも、月のクレーター1個分ぐらいしかありません。

100倍ぐらいの倍率で、土星や木星が見えるのですか?

100倍あれば、小さいですが土星の輪がきれいに見えるし、木星に縞模様があるのもわかります。そして、木星の回りに4つの衛星があるのがよく見えます。

倍率を200倍にすると、土星と木星は、もっとよく見えますか?

土星や木星を詳しく見るには、200倍以上の倍率が必要です。でも、天体望遠鏡の倍率には上限があります。明確に何倍まで、というのはありませんが、目安として、たとえば、対物レンズの直径が100mmの望遠鏡の場合は、その2倍の200倍が上限です。計算上はそれ以上の高い倍率にすることもできますが、倍率を上げても200倍で見えるもの以上のものは見えません。
倍率は高ければいいというものではありません。天体望遠鏡の倍率は、(対物レンズの焦点距離)÷(接眼レンズの焦点距離) という簡単な計算で求められます。対物レンズの焦点距離は決まっていますから、接眼レンズを焦点距離の短いものに替えると倍率が上がります。でも、むやみに倍率を上げても、見える範囲が狭くなって、暗くなって、覗きにくくなって、何もいいことがありません。
倍率をもっと上げたいときは、大きなレンズが付いた天体望遠鏡を使わないといけません。でも、直径10cm以上のレンズが付いた天体望遠鏡は、値段がすごく高くなりますから、一般の人が買うのは難しいと思います。反射望遠鏡やシュミットカセグレンという形式の天体望遠鏡なら、もっと大きいものが安く買えますが、使い方が難しいです。

大きな望遠鏡で木星や土星を見たいときは、天文台の観測会に行ってみるのがいいです。










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