七 夕



もう、夏も終わりに近づきましたが、明後日、8月25日が、本当の七夕です。七夕は7月7日ですが、現在の暦の7月7日ではなくて、旧暦の7月7日です。今年の場合、8月25日になります。
先月初めに、そういう話をしました。七夕は旧暦でやらないといけない行事です。明後日なら、幼稚園や小学校は、もう新学期が始まっているでしょう。これを見た先生方は、明日一日で七夕の準備をして、明後日25日に七夕の行事をやっていただけるとありがたいです。

先生方は子供たちに、なんで8月25日が七夕なのかを説明しないといけませんね。

七夕は旧暦でやる行事です。そうでないと、すごく変なことになります。
まず、七夕の夜には、月齢7の月が出ていないといけません。旧暦の7日なら、必ず月齢7の月が出ています。この月は、南の空にあるときは縦になっていますが、西の地平線に沈む頃には、斜めになって舟の形になります。その月が織り姫を天の川の対岸に渡してくれる、舟と船頭になるのです。月齢7の月は、夜半前に西の地平線に沈みます。月が沈むと天の川が見えてきます。そこからが七夕の物語の始まりです。

七夕の物語は、夜中に始まるのですね。

残念ながら、子供たちが寝た後です。大きな街から離れて、星がきれいに見えるところに行くと、織り姫と彦星の間に天の川が見えます。天の川には中州があることもわかります。天の川と中州が見えれば、織り姫と彦星がどこで会うのかも想像できます。織り姫と彦星を天の川の中州に連れて行ってあげれば、誰にもじゃまされずに、ふたりだけで会うことができます。月齢7の月と、天の川と、中州。それらが見えれば、そんな想像ができます。昔は夜中に空を照らす照明がありませんでしたから、どこからでもそれを見られました。

現在の暦では、7月7日に見える月は月齢がまちまちで、舟と船頭がいなくなってしまいます。月が満月に近いと、天の川も見えません。月がなくても、天の川が見えるのは限られた山奥の地域だけです。月齢7の月がなくて天の川が見えない、そういう環境では、七夕のお話の意味がわからなくなってしまいます。

下の図は、25日の月が沈んだ後に見える天の川です。



25日の夜中なので、日付としては、26日の0時です。
織り姫のベガと彦星のアルタイルの間に天の川があって、その間に中州がはっきり見えます。大きな街から離れて標高の高いところに行くと、これとほぼ同じように見えます。ただし、赤い部分は、宇宙空間を漂っている水素ガスが、近くの星からエネルギーを受けて光っているものです。これは肉眼では見えません。
明後日は平日で、翌日、お仕事の方が多いと思いますが、夜中に天の川を見に出かけてみませんか。









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