月と火星


今日が9月最後の日曜日、間もなく10月になります。10月になると、秋らしくなってきますね。

この秋、星空のトピックは何かありますか?

秋と言えば、中秋の名月。今年は10月1日(木)が中秋の名月です。最近、15夜でも、ススキやお団子を飾る家は少なくなりましたね。私が子供の頃は、母がお団子を作って、私がススキを取ってくる係でした。最近はお月見するだけになりました。
10月1日が中秋の名月ですが、その翌々日の3日に、月と火星が接近して見えます。最近、火星が明るいです。明るいので、月のすぐそばでもよく見えます。
火星は、2年2ヶ月ごとに地球に接近しますが、10月6日(火)に最接近します。このときが一番明るく見えます。-2.6等星になるので、木星より明るくなります。今でももう、ほぼその明るさになっています。

今、火星は明るいのと同時に、大きく見えるわけですね。

火星は、惑星としては小さいので、ふだんは天体望遠鏡で見てもよく見えません。でも今は、木星の半分ぐらいの大きさに見えます。

中秋の名月
 
10月3日 23時の南東の空 


天体望遠鏡で見れば、火星の模様が見えますか?

見えます。・・・といっても、火星の模様は淡いので、ある程度、大きな望遠鏡で見ないとよく見えません。小さい望遠鏡だと、赤い丸としか見えないかもしれません。それ以外にも、火星がよく見えない理由があります。

・・・というと、どういう理由ですか?

まず、空気の流れです。 星屋さんは、「シーイング」と呼んでいます。

空気の流れ・・・  簡単に言うと風ですか?

風というのは、地上付近の空気の流れですが、空気はもっとずっと高いところまであります。地上付近だけではなくて、遙か上空まで、空気の流れがゆっくりのときにしか、火星や木星はきれいに見えません。

よく見えるのは、どのくらいの頻度ですか?

週に1・2回でしょう。1週間、全くダメなこともあります。惑星をきれいに見られる日って、少ないのです。

ダメなときは、どう見えるのでしょう?

惑星がゆらゆら揺れ動いたり、ボケたりきれいに見えたりを、短い時間間隔で繰り返したりします。
火星がきれいに見えない、それ以外の理由もあります。火星では砂嵐が起こります。火星の砂嵐はものすごくて、火星の表面全体を砂埃で覆ってしまいます。砂嵐の時に火星を見ても、何も見えません。どんなに良い望遠鏡で見ても、赤い丸です。

もし火星を望遠鏡で覗く機会があったら、その日は、シーイングが良くて、砂嵐もないことを願いたいですね。

 









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