火星


今、火星が明るく見えています。今夜なら、月の西側にある赤い星が火星です。火星は間もなく衝になります。衝というのは、太陽・地球・火星が、一直線に並ぶこと。そのとき、地球と火星の距離が近くなって、大きく見えます。衝は今月15日で、明るさは -2.6等、視直径22.3″。見た目には、木星の半分ぐらいの大きさです。火星は地球よりも小さい惑星なので、地球に近づいたときでも、その程度の大きさです。
ところで、火星が地球に最も近づくのは、衝の日じゃないんです。一般には、衝のとき惑星が地球に一番近づくのですが、火星の場合だけ、微妙に違います。地球や木星・土星は、太陽の回りを、ほぼ円形に公転していますが、火星はかなり楕円です。楕円ということは、太陽に近づいたり、遠ざかったりしているわけです。その関係で、火星の衝と最接近の日は、微妙にずれます。

火星が地球に一番近くなるのは、いつですか?

明後日、6日の 23時です。衝は15日ですから、9日早いわけです。6日に見える火星と15日に見える火星では、明るさは同じで、見た目の大きさも 22.6と22.3という、わずかな違いです。目で見ても、差が分からない程度ということです。
いずれにしても、今月が火星の見頃です。肉眼で見ても、明るくて赤く見えるし、天体望遠鏡で見ても、火星の模様が見えます。ただ、先月もお話ししましたが、地球の空気の流れで、日によっては、よく見えないこともあります。シーイングといいますが、シーイングが良いとか、悪いとか言います。

火星
火星が自転して、どの部分が地球の方を向いているかで模様が変わる


シーイングとは別に、火星の表面で、大規模な砂嵐が起こって、火星の模様をすべて、覆い尽くしてしまうこともあります。そうなると、少なくとも2・3ヶ月は、模様が何も見えなくなります。今は、砂嵐は起こっていないので、シーイングが良ければ、天体望遠鏡で火星の模様がよく見えます。
でも、よく見えるかどうかは、シーイング次第です。天体望遠鏡で火星を見るって、けっこう難しいです。肉眼で、赤くて明るいなぁ・・・ と思いながらながめるのがいいのかもしれません。

 









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