今回は小惑星の話です。 
小惑星と言えば、はやぶさ2が行った「リュウグウ」や、初代はやぶさが行った「イトカワ」が記憶に新しいですね。でも、リュウグウやイトカワは、小惑星と呼ばれる天体の中では小さい方で、はやぶさが行ったから有名になった、というだけです。小惑星と呼ばれる天体は、たくさんあります。無数にあるといっていいくらい、たくさんあります。そのほとんどは、火星と木星の間を回っています。 
 
   その中のひとつがリュウグウであり、イトカワなのですね。 
 
      いいえ、そうではなくて、リュウグウやイトカワは変わった小惑星で、軌道が火星の内側に入ってきて、地球の近くまで来ます。 
 
   地球と衝突する可能性があるのですか? 
 
遠い将来まで考えれば、可能性がないとはいえませんが、それらよりもっと、地球と衝突する可能性が高い小惑星もあります。 
 
   小惑星が地球に衝突したら、大変な被害が出るのでしたよね。 
 
衝突する小惑星の大きさにもよりますが、小さなものでも、宇都宮市全体が吹き飛ぶぐらいの威力があります。 
 
   そんなことが起こる可能性はあるのですか? 
 
今から約6500万年前、メキシコにあるユカタン半島に、けっこう大きな小惑星が衝突しました。それが原因で、恐竜が絶滅したと言われているやつです。大きめの小惑星が地球に衝突すると、地球に劇的な変化が起こります。大量の粉塵が舞い上がって、空を覆い尽くして、太陽の光を遮ります。それが、何年という単位で続きます。太陽の光が当たらなくなった地球は、寒くなって、多くの生物が絶滅します。 
 
   小惑星の衝突というのは、地球に大きな変化をもたらすのですね。 
 
それは大きな小惑星の場合ですが、直径1mぐらいなら、毎年、何個か衝突して、燃え尽きなかった部分が隕石として発見されることもあります。 
 
   隕石というのは、小惑星のかけらなんですね。 
 
はやぶさ2が向かう次の目的地は、直径30mぐらいしかない、名前の付いていない小さな小惑星です。到着するのは11年後です。 
 
   どうしてそこに行くのですか? 
 
この小惑星は、将来、地球に衝突する可能性がある危険な小惑星です。はやぶさ2は、その小惑星の正体を調べに行きます。 
 
   正体がわかると、衝突を避ける方法がわかるのですか? 
 
そういう可能性も出てきます。正体がわかったらそれに応じて、衝突を避ける方法を考えます。 
 
   正体がわかってから考えるということですね。 
 
それとは全く別の話ですが、今週、「ベスタ」という小惑星がしし座に見えます。これは大きくて有名な小惑星で、けっこう明るくなります。 
 
   肉眼で見えますか? 
 
      6等星なので、肉眼で見えないことはありませんが、双眼鏡ならよく見えます。しし座のどのあたりに見えるかは、下の図の通りです。ベスタは、日付の区切りの「/」の上にいます。 
       
      小惑星「ベスタ」、探してみてください。 
       
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