木星の衛星食



4月になりました。入学式や歓迎会の季節ですが、今年もまた、かなり様子が違いますね。新型コロナ感染防止で、それらを自粛しないといけません。ワクチン接種が終わるまでは、おとなしくしてないといけないのでしょう。でも、ひとりだけで、夜、外に出て星を見るのは、全く問題ありません。それはみなさんで楽しんでもらいたいと思います。

今日の星の話は、木星の衛星です。ちょっとマニアックな話で、一般の人には、縁のない世界かもしれません。
木星にはたくさんの衛星がありますが、その中で特に大きいのが4つあります。ガリレオがそれらを発見したので、その4つをまとめて「ガリレオ衛星」と呼んでいます。それぞれの名前は、エウロパ、ガニメデ、カリスト、イオといいます。

木星だけなら、肉眼でもよく見えますが、その衛星となると、天体望遠鏡がないと見られません。でも逆に、天体望遠鏡があれば、ガリレオ衛星は一番見やすい天体です。小型の望遠鏡でも見えるし、場合によっては双眼鏡でも見えます。

  双眼鏡でも、見えるのですか?

ものによりですが、見える場合もあります。今年は、ガリレオ衛星の軌道面が、ちょうど地球の方を向いています。

  軌道面が地球の方を向いている・・・ というのは、どういうことですか?

ガリレオ衛星の軌道を、真横から見ています。その場合、4つの衛星は、1本の直線上を右に左に動きます。

  1本の直線上を4つの衛星が動くと、それらは交差しますよね。

4つの衛星は、それぞれ違う周期で動いているので、2つの衛星が交差して、重なるときがあります。衛星どうしが重なるとき、日食のようなことになります。ふだんは、ガリレオ衛星が交差するときは、上下にずれて立体交差になりますが、今年はズレないで、重なることが何度も起きます。

  それって、珍しいことなのですか?

6年に1回の珍しいことです。でも、木星をそれなりの天体望遠鏡で見ないと、見られない現象です。新型コロナがなければ、公共天文台で、観望会が行われたのでしょう。でも今は、自分で天体望遠鏡を持っている人と、お知り合いが持っている人だけの特権になります。

  近いところでは、いつ、それが起きますか?

 6日 04時56分:エウロパがガニメデを隠します
14日 05時05分:ガニメデがカリストを隠します
16日 04時13分:ガニメデがイオを隠します

今週と来週の明け方、3回あります。天体望遠鏡をお持ちの方は、見てみてください。

4月6日 4:45の木星と衛星


矢印の所、外側がエウロパ、内側がガニメデです。この11分後、2つの衛星が重なります。











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