中秋の名月



今週火曜日が満月で、中秋の名月です。
その日が、旧暦の8月15日になります。昼間はまだ暑いですけど、夕涼みにお月見もいい季節です。

   旧暦だと、今が8月なのですね。

旧暦(太陰暦)は、月の満ち欠けを基準にした暦ですから、12ヶ月で350日ぐらいしかありません。ですから、太陽の動きとくらべると誤差が出ます。それを補正するために、旧暦では「閏月」といって、同じ月を2回繰り返すことが多くあります。

   閏月というのは、例えば1月が2回あるということですか?

1月が2回ある場合は、最初の1月を普通に1月といって、お正月の行事をします。2回目の1月は「閏1月」といって、正月の行事はしません。同じ月を2回繰り返すことで、太陽の動きとの差を補正していたのです。その関係で、旧暦の日付は現在の暦より遅いです。

   なるほど。  それで秋に、旧暦の8月15日が来るのですね。

旧暦では8月からが秋でした。そして、満月を見るには、秋が適しています。


9月21日 19時の東の空


   なぜ秋がいいのでしょう?

夏の満月は、南の空の低いところに見えます。低い所にあるので、木や建物などの蔭になってしまいます。一方、冬の満月は、空の高いところを通ります。そのため、家のベランダなどから見ると、屋根の陰になって見えません。秋の満月はその中間で、見やすい位置にあります。秋に見える満月は、現在でいうウッドデッキなどから見るのに、一番良い位置にあります。平安時代の貴族の家には、月見台という、現在のウッドデッキのような設備がありました。そこから月を眺めて、和歌を詠んだのでしょう。
実は、春でも、同じ位置に満月が見えます。でも春は、空に霞がかかって、空気の透明度が悪くて、澄んだ月が見られません。そんな理由で、満月をめでるのは秋! ということになったのでしょう。

  以前、満月を天体望遠鏡で見ると、ピッタリ満月から前後にズレた時刻だと、月の縁に影のあるクレーターが見えて、満月ではないのがわかる、というお話をうかがいました。今回のピッタリ満月になる時刻は、いつでしょうか?

今回は、21日の朝9時頃です。月が見えない時刻です。その日の夕方、月が昇るのは18時頃で、満月が見やすい位置に昇るのは19時以降ですから、10時間後になります。

   21日、夕方の月を天体望遠鏡で見ると、月の縁に、影のあるクレーターが見えるわけですね。

天体望遠鏡で見れば、それがわかります。でも肉眼で見れば、まん丸のお月さまです。21日火曜日の中秋の名月、晴れたら、お月見を楽しんでください。











戻 る