金星食



11月になりました。秋も深まってきましたね。冬が近づくと、晴れる日が多くなって、きれいな星空が見られます。

   今週の天文トピックは、何かありますか?

明日、月曜日の昼間ですが、金星食が起こります。

   金星食というと、金星が月に隠される現象ですか?

はい、そうです。金星が月の裏側に入ります。

   一般の人でも見られますか?

残念ながら、昼間に起こる現象なので、青空の中ですから、一般の人が肉眼で見るのは無理です。昼間でも、自動的に月と金星に向けられる天体望遠鏡がある施設なら見られます。最近は、そういう望遠鏡が安く買えるので、それを持っていれば見られます。

   奈良部さんは、お持ちなのですか?

自宅に望遠鏡が3セットありますが、全部そうなっています。

   全部ですか!

最近は、天体の自動導入というのは、天体望遠鏡の普通の機能です。安くなったといっても、自動導入ができるものは最低でも8万円ぐらいはします。

   明日見られる金星食というのは、珍しい現象なのですか?

前回は、2012年8月14日でしたから、約9年ぶりです。2012年の時は、私はななつがたけ北天文台でその瞬間を待っていましたが、曇りでした。珍しい現象でも、そのとき晴れるとは限りません。日本では晴れない確率の方が高いです。

   明日、晴れるといいですね。 金星食は何時頃、見られますか?

月と金星が接触するのは13時47分。金星が月に完全に隠されるのは、2分後の13時49分。金星が月の裏側から出てくるのは、14時38分です。

   楽しみですが、月曜日の午後ですね・・・

普通なら、お仕事をしている時間帯ですよね。それでも、日本中のあちこちで、この金星食を見ている人がいると思いますが、一般の人たちに見せてくれるところは少ないでしょう。

   昼間の金星食というのは、写真撮影はできるのですか?

金星はとても明るいので、昼間の青空の中でも写ります。月は月齢2の細い月ですが、ぎりぎり写ると思います。

   写真が撮れたら見せてくださいね。

晴れたら、がんばって撮ります。テレビのニュースなどでも、晴れた地方で撮影された、金星食の模様が、放送されると思います。

   テレビ局の人も、頑張って撮るのでしょうね。

金星食の写真は、天文の知識がなくても、テレビ局のカメラマンなら写せると思います。
金星食が終わった後、明日の夕方には、細い月と金星が、接近している様子が見られます。
下の図は、明日の夕方6時の西の空です。

11月8日 PM6時の南西の空


   細い月と金星が、すぐ近くにありますね。

月は、金星から離れていく方向に動きますが、この日の夕方なら、月のすぐ近くに金星が見えます。

   昼間の金星食は見られなくても、夕方の細い月と金星が接近している姿は見られますね。

南西の空の低いところに見えます。18時前後の短い時間ですが、ぜひ、見てください。










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