6月になりました。梅雨の季節です。今月と来月は、星空観察はお休みですね。・・・とは言っても、晴れる日はありますから、晴れたら夏の星座を見てください。
でも、晴れる日は少なそうですね。
晴れない期間に、宇宙について、お勉強しておきましょう。
宇宙ですか。今日のお話は、どのあたりからですか?
今日は、宇宙の始まりについて、お話しします。
この宇宙が生まれた最初ですね。
みなさんは、この宇宙は「ビックバン」という大爆発から始まった・・・と、聞いたことがあるかもしれません。
でも宇宙は、ビッグバンの、その前があります。
ビッグバンの前ですか?
今から138億年前、何もない真空の中に、特別な粒子が1個、現れました。人間には、どんな方法でも絶対に見えない、ごくごく小さな1個の粒です。その粒がものすごい勢いで膨張しました。これを「インフレーション」といいます。
ビッグバンの前に、「インフレーション」が起こったのですね。
宇宙のはじまりは、ごくごく小さな1粒でした。それが猛烈な勢いで膨張し、その後、ビックバンが起こって「火の玉宇宙」になりました。これは、日本人の佐藤博士の「インフレーション宇宙」という考え方です。この理論は世界中の科学者に支持されています。
宇宙はインフレーションで始まって、その後、ビッグバンが起こったのですね。
インフレーションは、ごくごく短い時間・・・1秒より遙かに短い時間で終わって、ビッグバンが起こりました。そして、ビッグバンから3億年間、宇宙は水素とヘリウムで満たされていました。星は1個もありませんでした。
最初の星が生まれたのが、ビッグバンから3億年後ということですか?
星が1個だけ生まれたわけではなくて、同時期にたくさんの星が生まれました。
この宇宙は、小さな1粒から始まったのですよね。
最初に現れた粒の中に、この宇宙のすべてが詰まっていたわけですよね?
そういうことになりますね。
その粒は、ものすごい重さですよね。
普通に考えれば、体積がほぼゼロで、質量がほぼ無限大です。
体積がゼロで質量が無限大の粒って、想像もつきません。
人間が想像できる範囲を遙かに超えています。ブラックホールなんか問題にならないくらい、すごい粒です。
ブラックホールよりも、遙かにすごいものですか。
それを説明するのが、量子力学という、ミクロの世界を扱う学問です。量子力学の世界は、何もかもが想像出来ないことだらけです。その世界で起こる現象を表す言葉や単語が存在しません。言葉で表せないので、数式で表しています。
量子力学の世界を説明してくれる人はいないのですか?
日本人では、小松英一郎さんとか、村山 斉さんとか、すごい科学者がいますが、それを説明するための言葉も単語も存在しないので、言葉で説明することは出来ません。
奈良部さんはわかるのですか?
大学で勉強したはずなんですが、全然わかりません。わからないたとえとして、「シュレディンガーの猫」という話があります。
猫ですか・・・
では、この続きは、また来週、お願いします。
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