七夕とミラ



7月になりました。そして今週の木曜日が7月7日、七夕です。今日は七夕の話をしないわけにはいきません。
「コズミック・ジャーニー」は、2012年の7月に始まって、今回で11年目に入りました。第1回の話が七夕でした。そして毎年この時期に、七夕の話をしてきました。
過去10回のうち1回でもそれを聴いた人は、本当の七夕は7月7日ではない、ということを覚えていただけたと思います。

まずは、今日もその話をします。
七夕は、旧暦の7月7日にやる行事です。今年の場合、旧暦、つまり太陰暦の7月7日は8月4日になります。旧暦の七月七日は「伝統的七夕」と呼ばれ、毎年違う日付になります。七夕の物語は、旧暦の7月7日でないと成立しません。

   現在の暦の7月7日は、年によって、月の大きさがまちまちなのですよね。

たとえば、七夕の夜に、満月に近い月が出ていたら、明るい月の光で、天の川が消されてしまいます。

   その点、旧暦の7月7日なら、必ず、半月より少しだけ細い月が出ているのですね。

旧暦の8日が半月で、その1日前です。半月より少し細いところがポイントで、その月が西の空に沈む頃には、斜めになって舟の形に見えます。

   その月が、織姫と彦星が天の川を渡るときの舟になるのですね。

舟と船頭さんのセットです。月が出ている間は天の川が見えませんが、月が沈んだ後、空が暗くなって天の川が見えてきます。

   そこからが、七夕の本番ですね。

天の川が見えて、月の舟が必要なので、七夕の話が成り立つには、月の満ち欠けを使った太陰暦、つまり旧暦でないといけないわけです。
今年は8月4日の23時頃、月が沈んで天の川が見えてきます。織姫と彦星の間にある天の川には、中州があります。月の舟と船頭さんが、織姫と彦星を中州に渡してくれれば、だれにも邪魔されずにふたりだけで会うことが出来ます。





   お話としてはそれが理想的ですね。でも、私たちが知っている七夕の物語には、そういう話は出てこなかったと思いますが・・・

きれいな天の川と織姫と彦星を見ていれば、だれが考えてもそういう話になると思います。ここ数十年の間に地上の光が増えて、空が明るくなって天の川が見えなくなりました。七夕の話も、時代を映した話に変わっていくのだと思います。

   なるほど...  今回も七夕の話をしていただきましたが、それ以外の星の話題はありますか?

明け方の東南東の空に「くじら座」が見えます。その胸のあたりにある長周期変光星のミラが今週、極大になります。

   有名な変光星のミラが、明るくなるのですね。

およそ332日の周期で、2等級から9等級まで明るさが大きく変わる変光星です。周期も極大の時の明るさも、多少ばらつきがありますが、2等星か3等星まで明るくなります。

   今回はいつ、どのくらいまで明るくなるか、実際に観察して確かめたいですね。

3等級になれば肉眼でも簡単に見えて、見た目には赤い星です。

   くじら座の心臓の位置にある、赤い星を探せばいいですね。

今週、晴れる日があったら、七夕の星を見て、その後、くじら座を見つけて、心臓の位置にある赤い星を探してください。


くじら座









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