天の川が見えない



8月も後半に入りました。お盆休みが終わって、学生さんはまだ夏休みですが、働いている人たちは、今週は平常日課ですね。
暑い中、働いているみなさま、お疲れ様です。

   今週は月が細くなってきて、夏の星座を見るのに、いい時期ではないですか。

今夜は月齢23で、反対側の半月より細くなっています。夜中の0時頃、月が昇ってきます。

   それまでは夏の星座を見られますね。どのあたりを見たらいいですか?

夏の星座は、どこを見てもそれなりに見所があります。まずは、天の川とその周辺の星座を見ましょう。

   そうですね。でも、大勢の人たちが住んでいる地域では、天の川が見えませんよね。

自宅から天の川が見える、という人は、ごくわずかでしょうね。生まれてこの方、一度も天の川を見たことがないという人も、けっこういるようです。

   天の川が珍しいものになってしまいましたね。

今から50年から60年前・・・ 私は生まれていて、子供でした。

   私はギリギリ生まれていなかったと思います。

その頃は、栃木県内であれば、どこでも天の川が見えました。
その頃と今とでは、何が違うのでしょう?

   地上の光が増えたということですか?

その通り。建物から出る光、自動車の光、街灯など、地上の光が格段に増えました。

   それらの光が空を照らしているのですね。

地上の光が空を照らしている、というのが、わかりにくいですよね。

   そのあたりを説明していただけますか。

地上から出た光は、空に向かって上がっていきます。空には、ホコリとか、雲にはならない程度の小さな水の粒が浮いています。それらの粒は、私たちが想像するより、はるかにたくさんあります。
地上から出た光は、それらの粒に反射して、地上に帰ってきます。それを地上から見ると、「空全体が光っている」ように見えます。空の明るさよりも、天の川の光が弱ければ、天の川は消されてしまいます。

   地上から出た光が空で反射して、地上に帰ってきてしまうのですね。
   そんな中で、天の川を見るには、どうしたらいいですか?

地上の光や、空中に浮いているホコリや水の粒などが、少ないところに行けばいいです。

   具体的には、どういう所でしょう。

まず、地上の光が少ないところというのは、大きな街から、30km以上離れた所です。栃木県の地図に、大きな街から半径30kmの円を描いてみてください。
それ以前に栃木県の南半分は、東京などの大都市からの光が届いてしまうので、全部ダメです。

   栃木県の北半分で円に入らないのは、日光の奥の方や那須の山の上などしかなさそうですね。

その通りです。栃木県内では、そのあたりしかありません。

   もうひとつの、ホコリや水の粒が少ないところというのは、どんなところでしょう?

それらは、地表近くにたくさんあります。

   ・・・ということは、地上から離れた、標高の高いところに行けばいいのですね。

その通り。ですから、県内では、日光や那須の標高の高いところ、ということになります。

   先ほどの条件と同じですね。

天の川を見たい方は、そちら方面か、県境を越えて福島県まで出かけてみてください。











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