夏の天の川



8月最後の日曜日になりました。まだまだ暑い日が続きますが、8月が終わると夏が終わってしまう感じがして、ちょっと寂しいですね。

   リスナーのみなさんは、この夏、新型コロナが流行ってしまいましたが、楽しいことはあったでしょうか?

きれいな天の川を見られたとか、流れ星をたくさん見られたとか、人には言えない、いいことがあったとか...

   いろいろなことがあった夏も、何もなかった夏も、終わりが近づきましたね。

この夏、天の川を見られなかった人は、今週が夏の天の川を見る最後のチャンスになります。

   どうして今週が、最後のチャンスなのですか?

まず今日は、月齢1です。日没直後に月が沈んで、一晩中、月のない星空を見られます。ここ2・3日は、同じ条件になります。この機会を逃すと、次に月の条件が良くなるのは、約1ヶ月後になります。その頃になると、天の川が西の空に傾いて、夏の天の川の一番の見所、さそり座やいて座が見えなくなります。

   そういうことなのですね。  先週、お話がありましたが、天の川を見るには、
   日光とか那須の山の上に行く必要があるのですよね。

そうですね。平地の街の中で、天の川は見えません。天の川を見るには、そのあたりか、県境を越えて福島県に行く必要があります。

   夏の天の川が見えるところに行ったとして、どこを見たらいいですか?

まず、iPhoneアプリのiステラで、今夜21時の南の星空を見てみましょう。

   8月28日 21時ですね。
   南から南西の低いところに、さそり座といて座があります。

そのあたりに、濃い天の川があります。天の川は、濃いところと薄いところがあります。いて座のあたりが一番濃いところです。そして、もう少し上の方に、たて座という小さな星座があります。たて座の天の川も濃く見えます。

   もっと上に行くと、「わし座」や「はくちょう座」があります。
そのあたりの天の川は、2つに分かれていて、中州がありますね。

織姫と彦星の間を見ると、それがよくわかります。織姫はこと座にあるベガで、彦星はわし座のアルタイルです。

   七夕は過ぎてしまいましたが、夏の終わりに、天の川と一緒に、七夕の星を眺めるのもいいですね。




天の川に沿って、下から、いて座、たて座、わし座、そして天頂付近にある、こと座、はくちょう座、そのあたりを見てください。

   その途中に、織姫と彦星がいますね。

七夕の2つの星と、はくちょう座のデネブを結ぶと、夏の大三角になります。

   織姫と彦星と思って見ているところに、もうひとつの星を加えると、「夏の大三角関係」になってしまいます。

そう思って見てしまうと、三角関係にしか見えなくなります。嫌いな星にならないように、余計なことは考えずに見ましょう。

   天の川は、はくちょう座のデネブより、もっと北まで続いていますね。

北東の低い空にある、カシオペア座まで続いています。はくちょう座は天頂付近にあるので、いて座などの低い所の天の川より、濃く見えることもあります。

   地平線に近いところよりも真上の方が、地上の光や空に浮いているチリなどの影響を受けないのですね。

はくちょう座からカシオペア座の天の川は、秋になっても見えます。
リスナーのみなさんも夏の最後に、天の川を見に、日光や那須、福島県の南会津方面に出かけてみてはいかがでしょうか。









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