中秋の名月



9月になりました。まだまだ暑いですが、秋ですね。秋の夜空と言えば、中秋の名月です。今週10日土曜日が中秋の名月、十五夜です。

   今週土曜日ですか。土曜日なら、のんびりとお月見ができそうですね。

慌ただしく生活している人が多そうですから、できれば、リクライニングチェアなどに横たわって、のんびり、お月見をしていただきたいです。

   そういうのがいいですね。でも、今年の十五夜、9月10日というのは早いですね。

中秋の名月は、9月後半とか、10月になってから、ということが多いです。

   今年はどうして早いのですか?

中秋の名月は、旧暦の8月15日です。旧暦では7月から9月が秋でした。8月15日は、ちょうど秋の真ん中です。

   旧暦は、現在の暦とは、ずいぶんズレていたのですね。

ズレていますが、その方がわかりやすかったんです。1月から3月が春、4月から6月が夏、7月から9月が秋、10月から12月が冬になります。

   なるほど、1年が1月から順に、春夏秋冬になるのですね。

お正月を「新春」というのは、その名残です。旧暦はわかりやすいですが、太陽の動きとはズレてしまいます。

   農作物の種をまく時期や、田植えの時期などは、太陽の位置で決まりますよね。

月の位置を基準にした太陰暦では、そういう点が不都合でした。そのため、太陽とのズレを調整するために、同じ月を2回繰り返すことがありました。

   2回繰り返す?  ・・・というと、9月の次に、また9月が来るということですか?

そういうことです。 2回目の9月を閏9月と呼んでいました。それを閏月といって、閏月のある年を閏年と呼びました。3年に1回程度、1年を13ヶ月にして、太陽とのズレを修正していました。閏年の前か後かで、中秋の名月の日が大きく変わります。

   なるほど、そういう理由で変わるのですね。

旧暦なら、家に暦がない一般の人でも、月を見れば、今日がだいたい何日かわかります。でも、ややこしかったでしょうね。




   昔はどの家でも、十五夜にはススキや栗やお団子などを飾っていましたよね。

私が子供の頃は、母が食べ物を用意して、私がススキを採ってくる係でした。どこの家でも、縁側に十五夜飾りを用意していました。

   最近は、「縁側」というものがない家が多いですよね。ススキやお団子を供える場所が、なくなってしまいましたね。

そういう住宅の環境によって、昔ながらの行事ができなくなっています。

   今週土曜日が中秋の名月ということですが、ちょうど満月になるのは何時頃ですか?

満月は18時59分です。

   19時ぐらいですね。その時刻なら、みなさん、まん丸の月を観られますね。

肉眼で見る分には、10日の何時に見ても、まん丸のお月様です。でも、天体望遠鏡で見ると、ちょうど満月から2時間ぐらい前後すると、月の縁が欠けているのがわかります。

   天体望遠鏡で月を見ると、2時間程度でも、満月からはずれているのがわかってしまうのですね。

月の西側か東側に、影のあるクレーターが見えると、満月からズレていることがわかります。
人間の目では、そこまでわかりませんね。10日土曜日の夕方から宵にかけて、十五夜のお月様を見てください。










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