ジェ-ムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡  その1




1月も2週目に入りますが、明日は成人の日で休日です。多くの人が3連休。ここで星を見に出かけたいところですが、三連休は満月です。

   満月ですか・・・  三連休は、星を見るのはお休みですね。
   そうすると、今日のお話は何ですか?

今週の星空には関係ないですが、最近話題の、ジェームズ・ウエッブ宇宙望遠鏡の話をします。

   ジェームズ・ウエッブ宇宙望遠鏡ですか。
   去年の後半から稼働して、美しい天体の写真を送ってきてますよね。

これまで活躍してきたハッブル宇宙望遠鏡は、反射鏡の直径が2.4mでしたが、ウエッブ望遠鏡は6.5mです。

   主鏡の直径が、2.5倍ぐらい大きいですね。

主鏡が大きいと、より暗い天体まで見えるし、より細かいところまで見えます。

   ジェームズ・ウエッブ望遠鏡は、ハッブル望遠鏡に代わるものなのですか?

ハッブル望遠鏡は、確かに、寿命が尽きようとしています。でも、ウエッブ望遠鏡は、後継機というわけではありません。ハッブル望遠鏡は、人間の目と同じ、可視光で観測していましたが、ウエッブ望遠鏡は赤外線で観測します。

   ウエッブ望遠鏡は、人間の目では見えない天体を観測するのですね。

主に、宇宙の一番始まりの姿を観測します。宇宙の始まりを見るには、赤外線で観測する必要があります。

   赤外線ですか・・・  でも、最近私たちが見た、ウエッブ望遠鏡の写真は、普通のカラー写真だったと思いますが・・・

肉眼で見える天体も、赤外線を出しています。ウエッブ望遠鏡では、3つの異なる波長の赤外線を撮影して、それらを赤と緑と青に割り当てて、合成した擬似カラー写真になります。ですから、色は付いていますが、実際の色とは違います。

   そういうことなのですね。
   ところで、ウエッブ望遠鏡は、ハッブル望遠鏡の単純な後継機ではないということですが、大きさ以外に、何が違うのでしょう?

ハッブル望遠鏡は、地表から約600kmのところを周回しています。地球に近いところを飛んでいます。それに対して、ウエッブ望遠鏡は、地球から150万km離れたところにあります。

   600に対して150万ですか。 2500倍ぐらいですね。そんな遠くにいるのですか。

地球と月の距離が38万kmですから、月より遙か彼方にあります。

   何でそんな遠いところに置いたのですか?

ウエッブ望遠鏡がいるところは、L2と呼ばれる「第2ラグランジュ点」です。

図の黄色で示される天体を青色で示される天体が公転しているとき、L1, L2, L3, L4, L5 の点がラグランジュ点


   ラグランジュ点・・・? それはどういうところなのでしょう?

太陽と地球の重力の相互作用で、ラグランジュ点に入れば、何もしなくても、ずっとそこに留まり続けます。

   ロケット噴射などで、位置修正をしなくてもいいのですね。

地球の近くを飛んでいると、位置修正や姿勢修正をする必要がありました。

   ラグランジュ点に入ると、何もしなくていいのですね。
   来週も、ジェームズ・ウエッブ宇宙望遠鏡のお話の、続きをお願いします。










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