潮の満ち引き



今日は新月で、星空を見るのにいい時期です。今夜、晴れれば、きれいな星空を見られます。
ところで、今日、ちょうど新月になったのは、今朝 5:53でした。そして、5:57に、月が最も地球に近づきました。

   新月の時刻と、距離が一番近くなる時刻が、ほとんど同じだったのですね。
   そういう条件になったときには、何か起こるのですか?

大潮になります。大潮の中でも、干満の差が最大になります。

   潮の満ち引きというのは、月の重力によって起こるのでしたね。

1つの天体の周りを、別な天体が回っていると、「潮汐力」という力が働きます。地球と月でいうと、月の重力で、地球に対して潮汐力が働きます。月に対しても、地球からの潮汐力が働きます。

   潮汐力というのは、どういう力ですか?

地球が、月のある側とその反対側に引っ張られて、地球が引き延ばされるような力が働きます。

   月のある側だけではなくて、反対側にも引っ張られるのですか?

そうなんです。両側に引っ張られます。地球の地面が歪むほどの大きな力ではありませんが、地球の表面にある海の水は、引っ張られて、月のある側とその反対側に集まります。

   なるほど、それが満ち潮ですね。

地球は、太陽からも潮汐力を受けています。太陽は月よりもはるかに遠くにあるので、月から受ける力よりもかなり小さいですが、でも、多少の潮汐力を受けます。

   新月というのは、太陽と地球の間に、月が入る日ですよね。

太陽・月・地球の順で、ほぼ一直線に並びます。

   そうすると、地球は、月と太陽の両方から、潮汐力を受けるのですね。

そうなんです。ですから、月だけに引っ張られる満潮よりも、太陽の分だけ、満潮の潮位が高くなります。それを大潮といっているわけですが、今回はさらに、月と地球の距離が一番近くなります。

   そうなると、月の重力をいつもよりも大きく受けるわけですね。

そのため、今回の大潮は、1年中で一番、海水の高さが高くなります。

   今日の6時ちょっと前ということは、その大潮は、もう終わってしまいましたね。

栃木県は海がないので、関係ないですけど、朝ではなく、今日の夕方の方が潮位が高くなる場合もあります。

   今朝か夕方、たまたま海岸にいる人は、満潮の高さが、いつもより高いのを見られるかもしれませんね。


2023.01.23 18:00 西南西の空


新月なので、星空の話もしておきましょう。

   今週の天文トピックは何かありますか?

明日の夕方、日没後の西の空の低いところに、細い月と金星、土星が集まっています。月は月齢1のほんとに細い月です。

   明日ですか。 何時頃見たらいいですか?

18時、夕方6時に見てください。それよりも少し早い時間でもいいですが、遅いと、18時半にはほとんど沈んでしまいます。

   冬の夕方の空は、空気が澄んでいるので、きれいに見えそうですね。

その後、21時ぐらいになると、オリオン座が南の空に見えます。

   21時ぐらいに、冬の星座が、一番見やすい所に来るのですね。

明るい1等星がたくさんあるので、夜空が華やかです。今週前半は、月が早目に沈むので、21時頃に冬の星座を見てください。そして、明日の夕方は、西の空にある細い月と金星、土星を見てみてください。










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