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      ZTF彗星 
       
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       2月になりました。先週、節分と立春が過ぎましたが、まだまだ寒いです。「暦の上では立春を過ぎたのに、なんでこんなに寒いんだ!」と思う人もいるでしょうが、立春の頃が寒いのは当然なんです。 
 
   当然なのですか・・・? 
 
立春というのは、これから春に向かうという意味で、別な言い方をすると、これ以上寒くならない寒さの底ということです。 
 
   立春の頃が、一番寒いのですね。 
 
これから次第に暖かくなっていきます。 
 
   暖かくなっていくのを感じながら、毎日を過ごしていくのがいいですね。 
   ところで、今週の星の話題はなんでしょう? 
 
ズィー・ティー・エフ彗星です。 
 
   ズィー・ティー・エフ・・・ですか? 
 
日本語風に発音すると、ゼット・ティー・エフです。 
 
         アルファベットで、ゼット・ティー・エフ (ZTF) の3文字ですか? 
 
      その ZTF彗星が、2月2日に地球に最接近しました。今週いっぱいは、ギリギリ肉眼で見える程度の明るさになっています。 
 
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      1月30日のZTF彗星 (写野円4度) 
      地球に近づいた彗星は、かなりの速さで移動していきます 
      彗星の中心に合わせて望遠鏡を動かして写真撮影すると、彗星は静止して、星は線状に写ります | 
    
    
       
       
         特別な彗星なのですか? 
       
      特別ですね。軌道が大きいんです。 
       
         軌道が大きい・・・?  どういうことですか? 
       
      多くの彗星は、すごく細長い楕円軌道を描いて太陽の周りを公転します。太陽に一番近づくときには水星の軌道あたりか、さらに内側に入ります。 
       
         「すいせい」というのは、太陽系の一番内側をまわっている惑星の水星ですね。 
       
      両方「すいせい」なのでわかりにくいですね。 
      もう一度言うと、多くのほうき星は、太陽に一番近づくときには、みずぼしの水星軌道の内側まで入ります。ところが、ZTF彗星は太陽に一番近づいた時でも、地球の軌道の外側です。 
       
         なるほど、大きな軌道を描いているのですね。 
       
      大きいと言うより、あまり細長くない軌道といった方がいいのかもしれません。5万年ぐらいかかって、太陽の周りを1周します。 
       
         5万年ですか! 
       
      有名なハレー彗星は、75年で太陽の周りを1周しますから、ZTF彗星は軌道が大きいという言い方ができます。5万年というのは概略で、無限大かもしれません。 
       
         無限大というのは、どういうことですか? 
       
      ZTF彗星の軌道は、無限大に大きくて、二度と太陽の近くに帰ってこないかもしれません。 
       
         そういう彗星もあるのですか? 
       
      あります・・・というか、多くの彗星は、放物線軌道を描いていて、1回だけ太陽に近づいて、その後は、宇宙の彼方に消えていきます。 
       
         ZTF彗星もその可能性が高いのですか? 
       
      そうですね。宇宙の果てに飛び去っていくのだと思います。 
       
         そのZTF彗星が今、見えるのですね。 
       
      6日ごろ、ぎょしゃ座のカペラ付近を通って、11日には火星、15日ごろに、おうし座のアルデバランと、次々に明るい星の近くを通ります。ただ、6日が満月なので、彗星が一番明るく見えるときに、月明かりがあるのが残念です。 
       
         明日が満月ですか。 
       
      月が明るいので、ZTF彗星は肉眼では見えません。双眼鏡で探してください。 
       
         双眼鏡で見ると、彗星らしく、しっぽが伸びているのがわかりますか? 
       
      しっぽは確かに伸びていますが、その部分は暗くて、双眼鏡でも見えません。頭だけがぼやっと丸く広がって見えます。 
       
         その程度なのですね... 
         双眼鏡を持っている人は、ZTF彗星、探してみてください。 
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