|   | 
    
    
      春の夜空 
       
       | 
    
    
       
       3月になりました。春ですね。今はまだ寒いですけど、1月と較べるとずいぶん暖かくなりました。冬から春になると、気分的にも明るくなります。でも、星を見る人にとっては、冬の澄んだ空気の中で、キラキラ輝いていた星を見られなくなります。 
 
   そうですね。春になると、もやっとした、すっきりしない夜空になりますよね。 
 
空気の透明度が悪くなって、暗い星が見えなくなります。真冬は寒かったですが、澄んだきれいな星空が見られました。 
 
   そういう意味では、星を見る人からすると、冬から春になるのは良くないことですね。 
 
栃木県の冬、寒い北風が吹く中で見られる星空は1年中で一番きれいです。でも冬は、空気が激しく動いていています。 
 
   空気が激しく動く・・・というのは、どういうことですか? 
 
地表付近の風と上空の風では、向きも強さも大きな違いがありますが、冬は地上も上空も、どちらも強い風が吹いています。 
 
   確かに、冬は風が強いですね。 
 
風が吹くと、空気の密度が、微妙に高いところと低い所ができます。そうすると、屈折率の違いが発生します。天体望遠鏡を通して星を見ると、それが次々に、視野の中を移動していくので、星がゆらゆら揺れたり、動きまわったりします。 
 
   そうなんですか。 それだと、天体の細かいところまで見えませんね。 
 
その通りです。例えば天体望遠鏡で月を観ると、月のクレーターがゆらゆら揺れているし、月の周辺がギザギザしていて小さなクレーターが見えません。木星を見ても、揺れていて縞模様がはっきり見えません。星が瞬く理由もこれです。 
 
   肉眼で見る限り、冬の星空はきれいに見えますが、天体望遠鏡で見ると、そうでもないのですね。 
 
それが春になると、空気の乱れが小さくなります。そうなると、月や惑星の模様がはっきり見えるようになります。そして、星が瞬かなくなります。 
 
   春になると、良いこともあるのですね。 
 
春から夏は、惑星や地球からは小さくしか見えない系外銀河や球状星団などの天体が、見やすくなります。 
 
         春は、遠くにある小さな天体を見るのに、都合のいい季節なのですね。 
       
 
       | 
    
    
        | 
    
    
      M100 
      かみのけ座にある系外銀河  周りにあるボヤッとした天体も遠くにある銀河 | 
    
    
       
       
      ただ、今週は、7日火曜日が満月です。 
 
   そうなんですか・・・ 
   今週は、夜空が明るくて、暗い天体は観測できませんね。 
 
今週の天体観望はお休みです。もちろん、満月を見たいのなら、今週が最適です。 
 
   春は、お月見にもいい時期なのですね。 
 
月を肉眼で見る分には、冬でも春でも同じですが、天体望遠鏡で見る場合は、春の方がかなりきれいに見えます。 
      今週は、星空を見るのには適しませんが、月を眺めてみてください。 
       | 
    
    
       | 
    
    
       | 
    
    
       
       
       
       
       
       
       
       
       
        
       
       
       |