冬の南の空



3月も中旬になりました。本格的な春が近づいてきました。

   今週の夜空には、春の星座が見えてきますか?

3月になったばかりなので、春の星座が見やすい位置に来るのは、夜中になります。夕方、暗くなってすぐの時刻には、まだ冬の星座が見えています。

   夜の早い時間帯は、まだ、冬の星座なのですね。

今夜の月の出は、22時半ぐらいです。月が出る前に、冬の星座を見られます。

   今週は、冬の星座の見納めでしょうか?

そういうことになります。今の夕方、薄明が終わって真っ暗になるのは、19:10ぐらいです。 日が延びました。
下の図は、3月12日19:10の星空です。南の空の低い所を見てください。


3月12日 19:10の南の空


   おおいぬ座がありますね。
   そして、一番明るい恒星のシリウスが、真南にあります。

おおいぬ座の下にも、星座がありますよね。

   とも座、らしんばん座、ほ座、というのがあります。

「とも」というのは、船の船尾の部分です。「ほ」は文字通り、船の帆です。「らしんばん」は、航海中に星の位置を測って、自分の船がどこにいるかを調べるための道具です。

   そのあたりにあるのは、船にまつわる星座なのですね。

この辺り一帯には、昔、「アルゴ船座」という、ものすごく大きな船の星座がありました。でも、あまりにも大きすぎるので、船のパーツに分解されて、「とも座」「ほ座」「らしんばん座」などの星座になりました。日本からは見えませんが、「りゅうこつ座」というのもあります。

   「りゅうこつ」って、恐竜の骨ですか?

確かに恐竜の骨と書きますが、英語で言うと「キール」です。キールというのは、昔の木造船の場合、船のへさきから、船底の中心を通って、船尾までつながる、船の背骨にあたる最も重要なパーツです。

   なるほど。 船にまつわる部品ごとに、星座になったのですね。

シリウスの下の方、地平線ギリギリのところを見てください。

   カノープスという星がありますね。

これは、「りゅうこつ座」の一番明るい星です。

   りゅうこつ座の全体像は見えませんが、一番明るい星だけが見えるのですね。

ほんとうに、地平線ギリギリのところに見える星なので、南に山や建物や木があると、その陰になって見えません。南に何も障害物がないところで見てください。

   カノープスという星は、かなり明るい星のようですね。

全天で一番明るい恒星は「シリウス」ですが、2番目に明るい星がカノープスです。

   冬の南の夜空には、一番明るい星と、2番目に明るい星があるのですね。

今がシリウスとカノープスを見る最後のチャンスです。
今週は、月が出る前の南の空に注目してください。










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