春分の日



3月21日は春分の日で休日になります。

   春分の日は、昼と夜の長さが同じになる日ですよね。

東京の場合ですが、日出が05時44分、日入は17時53分になります。

   あれ? もう一度言ってもらえますか。

東京では、日出が05時44分、日入が17時53分です。

   44分と53分ですか?
   それだと、昼間の長さが12時間より、9分長いですよね。

気が付いちゃいましたか。春分の日の昼と夜の長さは、同じではありません。昼の方が少し長いんです。秋分の日も、昼の長さの方が長いです。

   教科書に書いてあることや、一般に言われていることが、間違いだということですか?

間違いとは言いませんが、「日の出」と「日の入り」という言葉の定義が問題なのです。

   日の出と日の入りという言葉の定義ですか・・・

春分の日は、太陽の中心が東の地平線から出て、太陽の中心が西の地平線に沈むまでの時間は、ちょうど12時間です。でも、日の出って、太陽の中心が昇る時刻ではありませんよね。

   太陽の一番上が、地平線から出た時刻が日の出ですね。

同じように、日の入りは、太陽の一番上が地平線に沈んだ時刻で、太陽の中心が沈んだ時刻ではありません。そういう理由で、日の出の時刻が少し早くて、日の入りの時刻は少し遅くなるのです。太陽1個分が、空の中を動く時間の分だけ、昼の長さが長くなります。

   なるほど。 そういう理由で、昼の長さの方が長いのですね。

それと、もうひとつ理由があります。地球には空気があります。その空気が光を屈折させて、地平線に近い天体は、実際の位置よりも浮き上がって見えます。そのため、日の出は、本来の時刻より早くて、日の入りは遅くなります。

   空気による浮き上がりですか。 それで、さらに昼の長さが長くなるのですね。

天文学的にも、春分の日というのは、大切な日です。春分の日の太陽の位置が、すべての天体の位置の、基準になります。

   春分の日の「太陽の位置」というのが、よくわかりませんが・・・

太陽が出ているときは、空は明るいですから、星は見えません。でも、太陽の向こう側にも星があって星座があります。太陽の向こう側にある星座の中での太陽の位置です。

   太陽の向こう側にも、明るくて見えないだけで、星座があるのですね。

あまりやりませんが、下の図が、3月21日昼の12時の星空です。


3月21日 正午の 南の空


   昼間の星空ですか・・・  スマホやパソコンのアプリなら、表示できるのですね。

青空の中に、星座が表示されています。これを見ると、太陽は、うお座の下にあります。うお座は2匹の魚の星座ですが、下側にある魚の、その下に太陽があります。そこが春分点です。

   この位置が、すべての天体の基準点なのですね。

そうなのですが、春分の日の太陽の位置は、年々、少しずつズレていきます。毎年、基準点がズレては困るので、現在は、西暦2000年の春分の日の太陽の位置を基準にしています。次の基準になるのは、西暦2050年の春分の日の太陽の位置です。

   50年ごとに、天体の位置の基準が変わるのですね。

そんなことにも思いを巡らせて、春分の日を過ごしてください。










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