長周期変光星



梅雨になって、星空を見る機会が少なくなります。でも、全然晴れないわけではないので、晴れた夜は星空を見てください。

   今週は、月の大きさはどうなのでしょう?

今夜は夜半過ぎに、反対側の半月・・・下弦の月が昇ってきます。それまでは星空を見られます。明日以降なら、月の出はもっと遅くなります。

   もし晴れたら、どのあたりを見たらいいですか?

最近、お話ししましたが、今が一番見やすい位置にある、さそり座やへび座、へびつかい座を見つけてください。それと、はくちょう座に注目してください。

   はくちょう座に何があるのですか?

はくちょうの長い首の中ほどにある星、長周期変光星のはくちょう座χ(カイ)星が、極大光度になっています。

   χ(カイ)星というのは、ギリシャ文字のχ(カイ)ですね。

星の名前はギリシャ文字で表されます。

   はくちょう座χ星というのは、変光星なのですね。

およそ408日の周期で、3等級から14等級まで、大きく明るさが変わります。ただ、周期も極大の時の明るさも、ばらつきがあります。近年は、最大光度が5等級くらいのことが多いようです。
下の図は、6月11日23時の東の空です。


6月11日 23時の東の空


   はくちょう座と夏の大三角が見えますね。

はくちょう座の十字の真ん中の星がサドルという名前で、くちばしにある星がアルビレオです。その中間より、少しアルビレオ側に寄ったところにある星が、はくちょう座χ星です。iステラや星図と見比べながら、赤っぽい星を双眼鏡で探してください。

   はくちょう座χ星は、赤い色なのですね。

長周期変光星は、赤い色をしています。これは寿命末期の星で、膨らんだり縮んだりを繰り返しています。

   寿命の終わりの星は、大きくなったり、小さくなったりを繰り返すのですね。

はくちょう座χ星の場合、その周期が408日ぐらいで、そのために明るさが変わります。

   大きくなったときに明るくなるのですか?

反対です。星は膨張すると温度が下がって、核融合反応が弱くなって、暗くなります。縮んだときに、星の温度が上がって、核融合反応が活発になって、明るくなります。

   星は大きくなると暗くなって、小さくなったとき明るくなるのですね。私たちの感覚とは逆です。

長周期変光星は、明るいときと暗いときの差がとても大きいのが特徴です。明るいときには肉眼で見えますが、暗くなると天体望遠鏡でも見えなくなります。

   今がはくちょう座χ星を見るチャンスですね。

晴れたら、はくちょう座を見てください。










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