はやぶさ2の成果



今は梅雨の真っ最中で晴れないので、星空の話はやめておいて、「はやぶさ2」の話をします。

   はやぶさ2ですか。 地球に帰ってきたのは、3年前ぐらいでしたよね?

小惑星「りゅうぐう」から、サンプルを持ち帰りました。いくつもの研究チームがそれを分析して、主な結果が出そろった先日、JAXAが会見を開きました。

   はやぶさ2のミッションは、素晴らしい成果を得たのですよね。

予想以上の大成功と言っていいと思います。

   主な成果はどんなことだったのでしょう?

サンプルを分析して、水がないとできない化合物や、生命活動に関わりが深い「アミノ酸」が見つかりました。これまでにおよそ300の研究論文が発表されています。

   はやぶさ2だけで、論文が300もできたのですか!
   それほど素晴らしい成果だったのですね。

地球の生命の起源に迫る成果としては、23種類の「アミノ酸」が検出されました。それらの「アミノ酸」には、生命の活動に深い関わりを持つものが含まれていました。

   リュウグウには、生命の元になる物質があったのですね。

その反面、「リュウグウ」には、地球の生命が使わない有機物が存在することも判明しました。

   地球の生命は、太陽系にあったすべてのアミノ酸を使ったわけではなくて、特定のものだけを使ったのですか。

研究者たちは、なぜそうなったのか、生命の起源を考えるうえで、埋めなければならないピースだと指摘しました。

   地球にある水や有機物は、宇宙から来たのですか?

はやぶさ2の成果から、地球に小惑星などが落下して、水や有機物をもたらしたとする仮説が優勢になりました。

   まだ確定的なことは言えないのですね?

そうですね。「リュウグウ」は、現在の形で存在する以前は、別の天体の一部だったと考えられます。

   でも、生命の源は、宇宙から来た可能性が高くなったわけですね。

今回の成果だけでは、そうとも言い切れません。「アミノ酸」には、構成する元素が同一で、構造が逆の「右手型」と「左手型」が存在します。地球の生命が使うアミノ酸は、ほとんどが「左手型」です。

   はやぶさが持ち帰ったサンプルは、どちらのアミノ酸が多かったのですか?

ほぼ同じでした。アミノ酸は見つかったけど、謎も増えました。


はやぶさ2が持ち帰ったサンプルのうち、大きいもの (1cm方眼)


   水についてはどうですか?

「リュウグウ」の元になった天体には、大量の水があったと考えられます。

   リュウグウは水を持っていたのですね?

サンプルの中に、水と反応してできた鉱物がたくさん含まれていました。「リュウグウ」の元になった天体には、大量の液体の水があって、その後、天体どうしの衝突などで細かく分裂して、徐々に水が失われたと考えられます。

   リュウグウには、水もアミノ酸もあったのですね。
   そして、はやぶさ2は、まだ、飛んでいますよね。

はやぶさ2は8年後、「1998KY26」という、直径30メートルほどの小惑星に接近することを目指して、現在も飛行を続けています。
これからもはやぶさ2の成果には、目が離せませんね。










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