金星西方最大離角



   10月も下旬になって、さすがに涼しくなりました。
   そんな今週ですが、天文現象は何かありますか?

今週は、金星が西方最大離角になります。

   「西方最大離角」?・・・ですか。

金星は地球の内側を回っている惑星なので、太陽の近くで、太陽の西側か東側にしか見えません。太陽の東側にあるときが宵の明星で、西側にあるときが明けの明星になります。金星が太陽から西側に最も離れるのが、西方最大離角です。

   今は明けの明星で、太陽から一番離れた位置に見えるのですね。

明け方の東南東の空に、明けの明星として輝いています。24日火曜日に太陽から最も離れて、西方最大離角になります。金星はそれ以上、太陽から離れません。その翌日から、また太陽に近づいていきます。

   これからしばらく、金星は明け方の東の空に見えるのですね。

今シーズンの金星は、8月下旬から来年2月下旬ごろまで、明け方の東の空に見えます。今から年末にかけては、日の出1時間前の高度が25度以上あるのでよく目立ちます。早起きの人たちの目を引くと思います。
10月24日の明け方3時、東の空が下の図です。


10月24日 3時の東の空



   東南東の空に金星があります。しし座のおなかの下ですね。

その時刻には月は出ていないので、金星としし座が良く見えます。今週は、明け方の金星以外に、部分月食が見られます。

   今週、部分月食が見られるのですか!

今週というか、次の日曜日、10月29日の未明から明け方、月の一部が地球の影に隠されます。日本国内で月食が見られるのは、昨年11月8日の皆既月食以来、1年ぶりです。月食の進行は、全国で同時刻になります。

   日本中、どこで見ても、同じ時刻に、同じ形に欠けた月が見えるのですね。

4時35分ごろ月が欠け始まります。食の最大は5時14分で、最大食分は0.12・・・月の直径の12%が隠される、という意味です。

   小さい部分月食ですね。

部分食が終わるのは、5時53分ごろになります。

   月が隠れる面積が小さいし、時刻的にも、みなさんが寝ている時間帯ですね。

ですから、わざわざ未明に起きて、それを見るほどの価値はありません。さらに栃木県では、食の後半は、かなり低い空になるので、西の空が開けたところで観察する必要があります。

   あまり条件が良くない月食ですね。

一般の人が、早起きして見るほどのものではないと思います。でも、天文ファンには、多少の価値があります。

   何があるのでしょう?

低空であることを活かして、地上の風景と一緒に見たり、写真撮影したりするのも面白いと思います。月のそばに木星もあります。

   ちょっとだけ欠けた月と木星、地上の景色が同時に見られるのですね。

早起きできる方は、見てみてください。











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