天体望遠鏡



今日も、ななつがたけ北天文台の奈良部さんに、星の話をうかがいます。奈良部さん、よろしくお願いします。

   今日のお話は何ですか?

天体望遠鏡の話をします。

   今回は、星空ではなく、望遠鏡のお話ですね。

ここ数年、天体望遠鏡業界が大きく変化しています。

   何が変わったのでしょう?

これまでは、日本の「タカハシ製作所」というメーカーが、最高性能の天体望遠鏡を作っていて、それらは、世界中のアマチュア天文家たちが欲しがる製品でした。

   最高性能というと、値段も高いのでしょうね。

一式で100万円とか、そういう金額ですけど、日本のハイアマチュアたちは、みんなタカハシの望遠鏡を持っています。

   昔のコマーシャルにあった「いつかはクラウンに」みたいな望遠鏡なのでしょうか。

そのタカハシが最近、落ちぶれてきました。
もちろん、今でも良い製品を作っているのですが、製品のバリエーションが減ってきたし、雑誌に広告を出さなくなりました。

   なぜ、そうなってしまったのでしょう?



台湾や中国のメーカーが良い望遠鏡を作れるようになってきました。
鏡筒部分・・・レンズが付いている筒の部分・・・は、タカハシに迫る品質の製品を、かなり安い金額で販売しています。

   天体望遠鏡も中国ですか。

架台部分は、電子化が進んで、中国製品の方が便利で、精度も良くて、タカハシは完全に後れをとっています。

   高性能を求める天文ファンも、タカハシである必要がなくなってきたのですね。

高橋製作所が作っている天体望遠鏡は、使い始める前の調整が難しくて、初心者には扱えないものでした。 ところが、最近の中国製品は、難しい部分が電子化・自動化されて、かなり簡単になりました。

   中国製品の方が使いやすいのですね。

もちろんすべてではありませんが、使い方が簡単な製品が多くあります。

   使う人は、あまり知識がなくても大丈夫なのですか。

どの天体を見たいという指定だけはしないと、機械も動きようがありませんから、見たい天体をあらかじめ選んでおく必要はあります。

   スマホに入っている、iステラなどの天体アプリで調べられますね。

iステラでもいいですが、「Sky Safari」というアプリがあります。
お手軽版から、プロフェッショナル版まで、いくつかありますが、プロ版でも数千円です。
プロ版の場合、画面上で天体をどんどん拡大していくと、小型の天体望遠鏡で見られるほとんどすべての天体の画像が表示されます。

   Sky Safari Pro をスマホやタブレットに入れておけば、事前にいろいろな天体の姿を見られるのですね。

星雲や星団と呼ばれる天体には、番号が付いていますから、その番号を望遠鏡のコントローラに入れれば、その方向を向いてくれます。
今夜のお勧め天体なども紹介してくれます。

   現在は、中国製天体望遠鏡でも、性能が良くて値段が安いのですね。

ある程度の金額を出せば、いいものが買えます。

   ある程度というのはいくらぐらいですか?

天体望遠鏡セット一式で、最低8万円ぐらいです。

   天体望遠鏡についての専門知識がなくても使えちゃうんですね。

8万円というと一般の人には高い金額ですけど、買ったのに使い方が難しくて、使わないまま押し入れに入ってしまうよりいいです。
使い方が難しくないというのが大切ですね。 そういう点を調べて買った方がいいですね。










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