双眼鏡


1月も最後の週。今週の土曜日が節分で、次の日曜日が立春です。

   冬の一番寒い時期は、今週で終わりですね。

まだまだ寒いですけど、来週から、季節は春に向かって動き始めます。

   星がきれいに見える季節も、終わりに近づいてきたのですね。

2月いっぱいは、冬型の気圧配置になって、きれいな星空が見られる日は多いと思います。でも、季節は春に向かって、着実に進んでいきます。

   冬は毎日晴れるので、今夜は、星は見なくていいかなぁ、と思ってしまいます。そうしているうちに、いつの間にか、春霞の季節になってしまいますね。

きれいに晴れた夜は、厚着をして、外に出てみてください。

   もうすでに、冬の星空は十分見た、という人もいるかもしれませんね。

肉眼で十分見た人は、双眼鏡で星空を見てください。冬の天の川はすごく淡いので、自宅から肉眼では見えないと思います。
でも、双眼鏡を天の川の方に向けると、たくさんの星が見えます。


   天の川は、暗い星が無数に集まってできているのですよね。

双眼鏡で天の川の方を見ると、他の場所より星がたくさんあるのが分かります。天の川があるところを、ゆっくり流して見ていくと、所々に星の集まりを見つけられます。

   「星団」ですね。

星団の中でも、散開星団と呼ばれるものです。新しい星が生まれるときは、1個だけではなくて、たくさんの星がほぼ同時に狭い空間の中に生まれます。それが「散開星団」として見えます。

   散開星団は、生まれたばかりの星の集まりなのですね。

星は集団で生まれますが、時間が経つと、四方八方に飛び散ります。散開星団は、生まれたての星が飛び散る前の状態を見ているわけです。

   双眼鏡で天の川の方を見ると、天の川を構成している星や、生まれたばかりの星たちを見られるのですね。

散開星団も、太陽系に近いところにあるものは、大きく広がって見えて、遠くにあるものは、小さくまとまって見えます。

   なるほど、近くにある星団は、大きく広がって見えるのですね。

おうし座の頭のあたりやペルセウセス座の中心付近は、星がたくさんありますが、それらは太陽系の近くにある星団なんです。ふたご座からぎょしゃ座のあたりには、やや遠くにある星団が見えます。

   双眼鏡で見た時、まばらに広がっているか、密集しているかで、太陽系の近くにあるのか、遠くにあるのかが分かるのですね。

それらは肉眼では見えませんから、双眼鏡で見る大きなメリットです。

   双眼鏡を買うときは、どんなものを選んだらいいですか?

双眼鏡は、例えば、8x42 というような表示がされています。「8x」の部分は倍率で、8倍ということです。42はレンズの直径です。

   どの双眼鏡もそういう表示があるのですね。

倍率は、低い方が明るく見えます。レンズの直径は、大きいほど明るく見えます。星は暗い対象なので、倍率が低くてレンズの直径が大きいものがいいです。ただ、レンズが大きいと重いですから、直径30mm~42mmぐらいがいいですし、倍率は6倍か7倍がいいです。

   倍率は、高くないほうがいいのですね。

倍率が高いほどよく見えると思う人が多いようですが、逆です。倍率が高いと、手ぶれが大きくて、画面が揺れて、よく見えません。6x30か7x42ぐらいの双眼鏡を購入して、星空に向けてみてください。
新しい星空の世界が見えるかもしれません。










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