春分の日は昼が長い!


3月も中旬になって、暖かくなってきました。栃木県でも、近いうち、桜が咲きそうですね。
今日から春のお彼岸で、今週20日がお彼岸の中日、春分の日です。

   春分の日は、昼と夜の長さが同じになる日ですよね。

一般にはそう言われていますが、春分の日は、昼の長さの方が長いんです。

   同じではないのですか!?

2つの理由があって、昼の方が長くなってしまいます。

   理由が2つあるのですか。

ひとつ目は、日の出と日の入りの定義の問題です。

   定義ですか・・・?  難しそうですね。

いいえ、全然難しくありません。日の出というのは、太陽の一番上が地平線上に出た時をいいますよね。

   そうですね。太陽が地平線からキラッと見えた瞬間が日の出です。

そのとき、太陽の中心はまだ地平線の下です。日の入りというのは、太陽の一番上が地平線から消えた時です。そのとき、太陽の中心は、すでに地平線の下に沈んでいます。太陽や月のように、面積のある天体の位置は、その天体の中心で表します。

   太陽の中心が、地平線から昇った時を「日の出」として、太陽の中心が西の地平線に沈んだ時を「日の入り」とすれば、
   春分の日の昼と夜の長さが同じになるのですね。

そうなんです。日の出と日の入りの定義の問題で、昼間の時間が太陽の直径1個分、長くなってしまいます。太陽1個分動くのにかかる時間は約2分。それだけ昼が長くなります。

   なるほど。太陽の中心で見れば、昼と夜の長さが同じになるけど、日の出日の入りの定義の問題で、昼の方が長くなってしまうのですね。





そして、二つ目の理由があって、昼の長さがさらに長くなります。それは、大気の屈折による浮き上がりです。

   浮き上がり・・・ですか?

天体から来る光を、地球の空気が曲げてしまって、実際と違う位置に見える現象です。これは地平線付近で、最も大きくなります。そのため、地平線近くの天体は、実際の位置よりも浮き上がって見えます。

   ということは、実際は太陽がまだ地面の下にあるのに、もう出ているように見えるわけですね。
   どのくらい浮き上がるのですか?

0.6度ぐらいです。太陽の直径が0.5度なので、太陽の大きさ1個分ちょっとです。太陽1個分、動くのが約2分ですから、2分ちょっと日の出が早まるわけです。

   日の入り側でも同じことが起こるのですね。

本当は、太陽は沈んでいるのに、浮き上がって、まだ地平線上にあるように見えます。
そういうわけで、日の出と日の入り、両側合わせて5分ぐらい昼が長くなります。ひとつ目の理由とあわせて約7分、昼が長くなります。

   春分の日は、本来は昼と夜の長さが同じはずなのに、そういう理由で昼が長くなってしまうのですね。
   この放送を聞いたリスナーのみなさんは、「春分の日は、実は、昼の方が長いんだよ。」と、うんちくを語ってみてください。










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