前回に引き続き、天体望遠鏡の話です。
日本の天体望遠鏡は、長いこと・・・ここ40年ぐらいでしょうか・・・ほとんど進歩しませんでした。私が持っている天体望遠鏡で、よく見えて愛用しているものは、40年以上前につくられた製品です。
古くても、いいものはいいのですね。
なかなか進歩しなかった天体望遠鏡業界でしたが、ここ数年で大きく進歩しました。それは、中国の望遠鏡メーカーの台頭です。
日本のメーカーが停滞している中で、中国メーカーが大きく進歩したのですね。
そもそも20年前には、中国には天体望遠鏡メーカーなど無かったのです。その後、中国に望遠鏡メーカーがちらほらできてきた当時は、中国らしく、安かろう悪かろうでした。
それが最近、大きく進歩したのですね。
天体望遠鏡というのは、3つの部分に分けられます。下から行くと、足の部分、足の上にあって、筒を載せる架台部分、そして、レンズや反射鏡が付いている鏡筒部分です。
その3つ、すべてが良くないといけないのですね。
足は誰が見ても、丈夫かヤワか分かります。もちろん丈夫な方がいいですが、一番大切なのは架台部分です。
レンズではないのですね。
もちろんレンズも大切ですけど、どんないいレンズが付いている鏡筒でも、架台がダメだと使い物になりません。鏡筒を見たい星の方に向けて、その星を追いかけ続けるのは架台部分です。
そこに精度と丈夫さが必要なのですね。
天体は、地球の自転によって、見える位置が西に移動していきます。それを追いかけて、常に視野の中心に置いておく必要があります。
自動ガイドというやつですね。
そうです。でもその前に、見たい天体を視野の真ん中に入れないといけません。初心者にとっては、それが一番難しい作業です。例えば月を見るとき、鏡筒を手動で月の方に向けても、なかなか視野に入ってくれません。
天体を見る以前に、大変な作業があるのですね。
最近の中国製望遠鏡のすごいところは、その架台部分が素晴らしいのです。見たい天体を付属のハンドボックスに入力すれば、自動的にその天体の方を向いて、望遠鏡の視野内に入れてくれます。その後は自動ガイドしてくれます。日本にもそういう製品はありましたが、使う前の設置と調整がとても面倒なうえに、値段が高くて、初心者は全く使えませんでした。
それが初心者でも簡単に使えて、安くなったのですか?
電子技術の進歩で、架台を水平に設置すれば、それだけで見たい天体を自動導入・自動ガイドしてくれる、安い製品が出てきました。
天体望遠鏡というのは、使い方が難しいものと思っていました。
ある程度の知識を身につけてからでないと、操作できないものだと・・・
そういう熟練者向けの製品もたくさんありますが、初心者でもすぐ使える値段の安い、中国製品が出てきました。
簡単に天体写真が撮れる望遠鏡があるそうですね。
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