夏の天の川


8月になりました。昼間はとても暑いですが、気温が下がる夜は外に出て、夕涼みがてら、夏の星空を見るのがいいですね。夏は日の入りが遅くて、21時近くにならないと、真っ暗になりません。21時から22時頃、外に出てみると、夏の星座や天の川が一番見やすい所にあります。

   今はちょうど良い時間帯に、天の川や夏の星座が見られるのですね。

今週前半は、21時までに月が沈むので、星を見るのにちょうどいい週です。

   では、今夜、どんな星空が見られるのか、iPhoneアプリのiステラで見てみましょう。

今夜21時の南の空を見てください。

   8月4日 21時の南の空ですね・・・  南の空に、さそり座といて座があります。
   そして、天の川の一番濃いところが、そのあたりにあります。

夏の星座の一番いいところが見えていますね。

   でも、栃木県から見た場合、南の空の低いところは、見えづらいのですよね。

これまでも何度かお話しましたが、栃木県の真南には、大宮、東京、川崎、横浜と、大都市が連なっています。それらの街から人間が出す光はとても強くて、栃木県から見える南の空、地平線の上、45度ぐらいまで、その光が照らしています。

   さそり座といて座は、その光の中に入ってしまうのですね。

そのあたりの天の川は一番明るく見えるところですが、それさえもかき消されてしまいます。


画面右下から左上にかけて、天の川があるはずなのに、街の光に消されて見えません。
天の川の最も明るいところがわずかに見えています。


   そのあたりの天の川を見るには、やはり、奥日光とか那須高原に行くべきですか?

できるだけ北に行った方がいいので、那須高原をお勧めします。できればさらに、栃木県を超えて福島県のたかつえやだいくらスキー場の方に行ったら、さらにいいと思います。

   どこにしても山奥に行くときは、南側の空が開けている場所に行かないと、せっかく出かけてもさそり座やいて座が見えませんよね。

そうなんです。そこに注意してください。

   山奥だけど南が開けたところというのは、難しいですね。

奥日光には、そういうところはほとんどありません。地図をよく見て、昼間に実際に行ってみて、いい場所を探してください。ただし、いくらいい場所でも、私有地には、入らないようにしてください。

   私有地に勝手に入ってはいけませんね。

アメリカだと、私有地に無断で入ると、銃で射殺されることさえあります。日本の公共駐車場でも、星を見に来た人たちのマナーが悪かったり、ゴミを捨てて行くなどの行為が多くあって、駐車場が閉鎖されてしまったところもあります。

   そんなことがあるのですか・・・
   せっかく星がきれいに見える場所が、そういう理由で使えなくなるのは残念ですね。

この番組を聴いているリスナーのみなさんは、マナーのいい人たちだと思いますので、いい観測場所があったらそこが長く使えるように、マナーよく使ってください。

   夏の天の川の話に戻りますが、さそり座といて座の上にも、天の川がつながっていますね。

その上には、たて座、わし座、はくちょう座などがあります。

   そのあたりには、夏の大三角がありますね。

わし座のアルタイルと、はくちょう座のデネブ、そして、こと座のベガを結ぶと夏の大三角になります。下に尖った大きな二等辺三角形になります。

   そのあたりの天の川もきれいに見えますよね。

そのあたりは、空の高いところにあるので、南にある大都市からの光の影響を受けにくくて、いて座付近の天の川よりよく見えます。

   今週土曜日の10日は、旧暦の七夕です。
   織姫・彦星と天の川、そして夏の大三角、見られるといいですね。










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