スピカ食




今日は12月22日、今年も残り少なくなりましたね。子供にとっては、1年って長いらしいですけど、大人になって歳をとってくると、あっという間に1年が過ぎてしまいます。

   今年も終わりに近づきましたが、まだ見られる天文現象はありますか?

25日水曜日、スピカ食があります。

   スピカ食というと、おとめ座の1等星のスピカが月の裏側に隠れるのですね。

25日の未明、3時ごろから4時ごろにかけて、下弦過ぎの月がスピカを隠す恒星食が起こります。その時刻というと、サンタクロースが来て、帰った後の時間ですね。

   クリスマスイブの夜の夜更けですね。1等星が月に隠されるというのは珍しい現象ですよね。

1等星の星食は珍しいです。3時17分ごろ、月の明るい縁にスピカが潜入します。そして4時13分ごろ、暗い縁から出現します。

   肉眼でも見えますか?

肉眼でもなんとか見えるかもしれませんが、双眼鏡や天体望遠鏡の方がはるかに見やすいです。

   2週間前に土星食がありましたが、惑星食と恒星食では、何か違いがありますか?

惑星は見かけの大きさがあるので、時間をかけて月の裏側に入っていきます。土星の場合は、約1分かかりました。恒星の場合は、大きさがないので、一瞬です。一瞬で消えて、一瞬で出てきます。


12月25日 3時の月とスピカ


   恒星は大きさがないというのが、よく分かりませんが・・・

例えば、月の上側と下側から、自分の目につながる線を考えます。

   月の上側から自分の目に来る線を引いて、次に自分の目から月の下側に行く線を引くのですね。

そういう2本の線を考えてください。2本の線の間には、小さいですけど角度ができます。この場合、約0.5度です。いくら小さくても、角度ができるときは、その物体には大きさがあります。ところが、夜空に見える恒星の場合は、地球との距離があまりにも遠いので、その角度が限りなく0に近くなります。

   0ではないけど、限りなく0に近いのですね。

あまりにも小さいので測定できません。測定できないくらい小さいので0としています。角度が0のときは、大きさがないことになります。

   元の星自体は相当大きな天体ですけど、地球から見たときには、見かけの大きさが0で「点」なのですね。

点というのは、直径も面積もありません。

   恒星は点だから、スピカの食は、一瞬で消えたり現れたりするのですね。

まばたきしている間に消えるので、月とスピカが近づいたら、まばたき禁止です。

   夜遅い時間というよりも、朝に近いですから、見られない人も多いでしょうけど、余裕のある人は見てみてください。

この夜は、月が1時過ぎに昇ってきます。2時頃には、月のすぐ下にスピカがあります。 その頃はまだ月1個分ぐらい離れています。それが約2時間後には、月とスピカが接触します。その様子を見ていると、月が動く速さが分かります。

   月は、星座の中を東に動いていくのは分かりますが、どのくらいの速さで・・・というのは、そういうときにしか見られませんね。

スピカ食や月の動く速さに興味のある人は、頑張って見てみてください。

   クリスマスイブの夜、余裕のある人は見てください。










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