寒い季節になりましたが、冬の星空はきれいです。冬は明るい1等星がたくさんある上に、栃木の冬は空気が澄んでいるので、暗い星までよく見えます。 
 
   今、火星が明るいですね。 
 
火星は今、地球の近くにいるので、明るく大きく見えています。実は今夜、22時30分頃、地球と火星の距離が一番近くなります。 
 
   今夜が火星最接近ですか。 
 
距離は9600万kmで、地球と月との距離の250倍ぐらいです。 
 
   そう言われても、近いのか遠いのかよく分からない距離ですね。 
 
そうですね。このとき、太陽・地球・火星がほぼ一直線に並びます。 
 
   地球と火星が再接近するというのは、そういうことなのですね。 
 
太陽系では、火星は地球のすぐ外側を公転しています。地球の公転周期が約365日で、火星は687日です。 
 
   地球の方がずいぶん速いのですね。 
 
そのため、地球が火星を追い越していきます。今夜、地球と火星が並んで、明日、追い越します。追い越す瞬間が、地球と火星の距離が一番近いわけです。 
 
   なるほど、地球の公転周期の方がずいぶん速いので、何年かに1回、地球が火星を追い越すのですね。 
 
2.2年に1回、地球が火星に追いついて、追い越していきます。 
 
   2.2年に1回ですか。 
 
地球は太陽の周りを真円に近い軌道で回っています。ところが、火星はかなり楕円です。そのため火星は、太陽に近いときと遠いときがあります。 
 
   火星の軌道って、楕円なんですか。 
 
地球の軌道も楕円といえば楕円ですけど、火星の方が楕円の度合いが大きいです。火星が最も太陽に近いところにあるときに、地球が火星を追い越すと、地球と火星の距離が一番近くなります。逆に、火星が最も太陽から遠いところにあるときに追い越すと距離が大きくなります。 
 
   なるほど、そういうことなのですね。 
 
地球と火星の距離が一番近くなるのは、8月に最接近するときで、遠くなるのは、2月に最接近するときです。 
 
   地球と火星の最接近といっても、近いときと遠いときがあるのですね。今回、地球と火星が接近するのが1月ということは、距離はかなり遠いのですね。 
 
それなので、小型の天体望遠鏡では、あまりよく見えないかもしれません。 
 
   でも、肉眼で見ると、明るく輝いていますよね。 
 
今、夜中に、空の高いところで、赤く輝いている星が火星です。もっと早い時間だと東の空に見えます。 
 
   見つけるのは簡単そうですね。 
 
赤くて明るい星というと、オリオン座のベテルギウスが近くにありますが、それよりも明るいです。 
      下の図は今夜22時の星空です。 
       
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