太陽




2月も中旬になりましたが、強力な寒波が連続してやってきて、まだ、真冬の寒い日が続いていますね。でも、もう少しで暖かくなるのでしょう。暖かくなるのが楽しみです。ところが、暖かくなると、澄んだ冬の星空が見られなくなってしまいます。

   前回、冬の星座が見られるのは、今週ぐらいまで、というお話がありましたね。

冬の星座が西に傾いていくのと、空気が澄んだ晴れの日が少なくなるという、2つの理由から、そういうことになりそうです。

   今週晴れたら、冬の星座を見ておいた方がいいですね。
   ところで、今日のお話はなんでしょう?

太陽の話です。

   太陽ですか。
   冬の太陽は低いところにありますけど、これからは太陽の高さも上がってきますね。

そうですね。その太陽ですが、約11年周期で、活動が強まったり弱まったりします。

   今はその周期の、どのあたりにいるのですか?

今年が活動のピークになります。

   活動のピークというと、今年は暑くなるのですか?

いいえ、11年周期の太陽活動によって、暑くなったり寒くなったりはしません。

   何が変わるのでしょう?

活動が活発になると、黒点が増えて、フレアの発生が多くなります。

   太陽黒点は分かりますが、フレアというのはどういうものでしょう?

簡単に言うと、太陽表面で、小さな爆発が起こります。フレアを太陽観測用の望遠鏡で見ると、黒点よりは大きな面積で白く光って見えます。


白く光っているところがフレア


   フレアというのは地球上で、何か悪いことが起こるような話を聞いたことがあります。

フレアが発生すると、電磁波や素粒子レベルの粒が地球に向かって大量に飛んできます。飛んでくる電気を帯びた粒子・・・荷電粒子といいますが、それが悪さをします。

   何が起こるのでしょう?

飛んでくる荷電粒子によって、地球やその周辺に大きな電流が流れます。地上では送電網が壊れたり、変電所が壊れたりします。電源につながっている電子機器も壊れます。

   停電が起こったり、パソコンが壊れるということですか?

大きなフレアが発生するとそうなります。さらに地球の周りを飛んでいる人工衛星も壊れます。

   それって、大変なことになりますよね。

現代人は、電気と電子機器と人工衛星がないと、仕事も生活もできませんから、大変なことになりますね。

   今年それが起こるのですか?

フレアといっても、大きいのから小さいのまであるので、何百年に1回ぐらいの巨大フレアが発生すると、そんな可能性もあります。例えば千年前にそれが起こっていたとしても、電気も電子機器も何もありませんから、ほとんど影響はありませんでした。でも、それが現代に起こったら・・・と考えると、たいへんです。

   今年がフレア発生のピークになるということですけど、大きなフレアが発生しないことを願うしかありませんね。予報ってできないのですか?

フレア発生の予報は難しいです。でも、太陽でフレアが発生してから、荷電粒子が地球に来るまでには、2日程度の時間がかかりますから、「来るぞ!」という警報は出せます。ただ、電磁波は、フレアが見えた瞬間に来てますから、そちらは対処のしようがないです。

   太陽活動がピークになって、何かいいことはないのですか?

フレアが発生すると、きれいなオーロラが見られます。

   それはいいですね。今年は小さなフレアだけにしてもらいたいです。










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