太陽望遠鏡



今年はカラ梅雨のようですが、きれいには晴れない今週です。今しばらくは、星が見られない可能性が高いので、今日は望遠鏡の話をします。・・・といっても、普通の望遠鏡ではなくて、太陽望遠鏡です。

   天体望遠鏡で太陽を見てはいけないのですよね?

望遠鏡や双眼鏡で太陽を見てはいけないということは、みなさん知ってると思いますが、太陽だけしか見られない望遠鏡があるんです。

   私はずいぶん前ですけど、奈良部さんに見せてもらったので知っていますが、一般の人は知らないですよね。
   どういうものか、教えていただけますか。

見た目には、普通の天体望遠鏡のように見えますが、筒の部分に、変な出っ張りとか、見慣れないパーツが付いています。太陽は見えるけど、それ以外のものは何も見えない望遠鏡です。

   何も見えないというのは、星も地上の景色も見えないということですか?

そうです。太陽はよく見えますが、それ以外は何も見えません。

   太陽専用の天体望遠鏡ということですね。太陽望遠鏡で見ると、何が見えるのですか?

何が見えるかというその前に、皆既日食というのがありますよね。

   皆既日食ですね。この放送でも何回か話題にしました。日食ハンターといって、世界中どこにでも、何度でも、皆既日食を見に
   行く人たちがいますよね。

その人たちは、なんでそんなに何度も皆既日食を見に行くのでしょう?

   皆既日食の時にしか見られないものがあるのですよね。

皆既の時に黒い太陽が見えるのですが、太陽の縁から真っ赤な色で吹き出している炎・・・プロミネンスが見られます。それと太陽の外側に広がっている、コロナという光が見えます。日食のたびにプロミネンスもコロナも形が違います。また、皆既日食が終わる瞬間に、ダイヤモンドリングも見えます。

   プロミネンスやコロナとダイヤモンドリングが見たくて、世界中に出かけるのですね。

それらを一度見ると、また見たくなり、二度見ても、もう一度見たくなります。

   そうやって切りがなく、何度でも日食を見に行くのですね。

そこで、太陽望遠鏡の話に戻ります。

最近発売された中国製太陽望遠鏡


   そうでした、太陽望遠鏡で何が見えるのか、ですね。

プロミネンスが見えます。

   日食ではないときに、太陽から吹き出している炎が見えるのですね。

もちろん、太陽黒点も見えます。さらに、太陽表面の複雑な模様が見えます。でも、コロナは見えません。

   コロナは皆既日食に行かないと見えないのですね。でも、日食の時には、太陽の表面は見えませんから、太陽の表面も
   プロミネンスも見える望遠鏡って、すごいですね。

太陽面の模様もプロミネンスも毎日変わります。10分で変わることもあります。

   いつ見ても同じに見える天体よりも、見るたびに表情が違う太陽を見る方が飽きなくていいですね。

夜曇っても昼間は晴れることが多いので、太陽望遠鏡の稼働率はすごく高いです。太陽はいつ見ても表情が違うので、毎日見ても見飽きないし、一日に何度も見てしまいます。

   確か、太陽望遠鏡って、すごく値段が高いのでしたよね。

私が持っている片手で持てるような筒の部分だけで100万円ぐらいします。

   それはすごいです。そんなに高価では、一般の人には無理ですね。

以前は、とても高価なアメリカ製品しかなかったのですが、最近、安い中国製品が出てきました。

   ここでも中国製品ですか。

新しく出てきた中国製品って、たいてい良くないですよね。だんだん改良されてよくなることはありますが、今回出てきた中国製太陽望遠鏡は、最初からすごくいいんです。

   高価なアメリカ製よりいいのですか?

これまであったアメリカ製品は、当たり外れの差が大きくて、当たりは5本に1本ぐらいしかないんです。ところが中国製は、ハズレ無しで全部よく見えます。

   安くてよく見えて、ハズレがないならいいですね。

光学機器というと、NikonとかCanonとか、日本製品が素晴らしく良かったのですが、中国製光学機器は、最近、すごく良くなりました。

   安くて良いものが買えるなら、中国製でもいいですね。
   リスナーのみなさんも機会があったら、太陽望遠鏡を覗かせてもらってください。

 
 









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