中秋の名月



明日7日は旧暦の八月十五日で十五夜、「中秋の名月」です。今年は旧暦の6月に閏月が入ったので、かなり遅めです。

   そうですね、10月になってからというのはめずらしいです。

さらに、実はこの日が満月ではなくて、満月の1日前なんです。

   満月ではない十五夜というのがあるのですね。

旧暦の日付は、月齢と1日程度の前後があります。明日の月を肉眼で見るとまん丸に見えますが、双眼鏡や天体望遠鏡で見ると、左側がわずかに欠けているのがわかります。

   夏の満月は、南の空の低いところに見えましたが、今は高くなってきましたか?

12月が一番高いのですが、そこに向かって高くなってきました。この日の月は、うお座の中にあります。

   うお座というと、やや高いところですね。うお座は暗い星が多いのでしたよね。

うお座の星はみんな暗いです。ですから、近くに月があると、うお座の星は1個も見えないと思います。月のすぐ西側に土星がいて、土星は見えます。

   月と土星ですか。天体望遠鏡があれば、ぜひ見たい天体ですね。

そうですよね。真っ先に見たい天体2つです。ただ、この日の月は、端の方にちょこっとクレーターが見えるだけだし、土星は輪の傾きが小さくて、串に刺さったお団子のようにしか見えません。

   今はそうなんですね。満月の模様は、日本では古くから、ウサギが餅をついていると言われてきましたね。

月の暗いところが模様として見えるわけですが、暗い部分を「海」と呼びます。水があるわけではないですが、平坦な地形になっています。

   海ではない部分は「陸」ですか?

陸とは呼ばないようです。明確な呼び名はないのですが、「高地」と呼ばれることはあります。

   月は海と陸ではないのですね。

月には水がありませんから、地球のような海と陸の区別はできません。


東の空に昇った満月


   東の空に昇ったばかりの満月は、ウサギが前屈みに傾いているような記憶があるのですが・・・

確かにそうです。頭の中で、反時計回りに60度ぐらい回してあげると、ウサギが餅をついている姿になります。時間が過ぎて月が西に動くとさらに傾いていきます。明け方、西の空に沈みますが、その頃には上下がひっくり返っています。

   ・・・ということは、東の空に昇ったばかりの満月が、多少は傾いていても、一番、餅をついているウサギとして認識しやすいのですね。

そうですね、昔の人は暗くなると寝てしまったので、今よりずっと早寝でした。寝る前に、東の空に昇った月を見て、ウサギが餅をついていると見たのでしょうね。

   海外では、月の模様を別なものに見立てていますよね。

南ヨーロッパでは、片方のはさみが大きいカニに見えるようです。
北ヨーロッパでは、本を読む女性
アラビアでは、吠えるライオン
他にも、ロバとかワニとか、髪の長い女性とか、いろいろあります。

   カニはわかる気がします。本を読む女性も、そう思ってみれば見えます。

ライオンは前後を逆に見ます。ウサギの耳の方が後ろ足になります。

   国によって、月の模様もいろいろなものに見えるのですね。

明日の十五夜、リスナーの皆さんには、月の模様が何に見えるか、よく見てください。


 
 









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