秋の天の川



10月も中旬になって、本来は秋本番ですが、最近は10月になっても暑い日があって、なかなか秋らしくなりません。でも、秋の星座は見やすい位置にやってきています。

   天の川というと夏のイメージがありますが、秋にも見えますよね。

天の川は、春以外の季節なら見えます。「見えます」というと語弊がありますが、空には出ています。

   空には出ているけど、夜空が明るくて見えないのですね。
   夏の天の川は、南の地平線から立ち上がって、天頂の方に伸びていましたが、今頃の天の川は、どこに見えるのですか?

50年ぐらい前なら、「どこに見える?」なんて聞かなくても、夜、空を見上げれば、一目瞭然だったのですが、今はなかなか見えませんね。

   栃木県内でも、天の川が自宅から見えるよ、という人が少しはいると思いますが、それは恵まれていますよね。

そういう人は、家が山奥にあって、生活は不便かもしれませんが、ある意味、恵まれていますね。今の天の川は、今夜の20時ぐらいなら、南西の地平線から天頂よりやや西側に向かって伸びています。

下の図は、今夜20時の南の空です。

10月112日 南西の空


   南西の空にいて座があって、天の川は、そこから上に向かって伸びていますね。

地平線ギリギリに、いて座があり、その上にわし座、さらに上に、はくちょう座があります。

   はくちょう座は、天頂よりも少し西寄りですね。

天の川の一番濃いところが南西の地平線すれすれにありますが、低くて多分見えないでしょう。はくちょう座のあたりまでの天の川は、よく見えます。大きな街から離れた空が暗いところにいけば、ですけどね。

   はくちょう座の先には、ケフェウス座があって、その先にカシオペア座がありますね。

空が暗ければ、カシオペア座まで、天の川が伸びているのが見えます。

   秋でも、けっこう長い天の川があるのですね。

夏の天の川で、さそり座の方の濃いところは、もう見えなくなってしまいましたが、その上が見えています。

   夏の天の川は、7月頃、真南にあるときが一番よく見えるのでしたよね。

さそり座やいて座が南の地平線の上にあって、その間に天の川の一番濃いところがあります。ところが、栃木県から見て南の方向は、大都市や県内の大きな街が並んでいて、街の光が空を照らして明るくなっています。

   本来なら天の川が一番よく見える時期に、一番良くない方向にあるのですね。

天の川が南西に移動すると、真南にあるときよりもよく見える場合があります。栃木県内では、そちらの方向には大きな街がないところが多いので、空が暗くなります。

   遅い時間になると、いて座が地平線に沈んで、わし座、こと座、はくちょう座のあたりの天の川が、西の空に見えるようになりますね。

23時以降になると街の明かりが消えて、空が暗くなって、それ以前よりも見える星の数が増えます。はくちょう座からカシオペア座のあたりの天の川が見えるかもしれません。ただ、今週の前半は、比較的早い時刻に月が昇ってくるので、夜中の星空を見るには週の後半がいいです。

   今週の後半なら23時頃に夜空を見ると、星の数が増えて、自宅からでも、うっすら天の川が見えるかもしれませんね。

私の家は栃木市郊外ですが、はくちょう座の天の川が見えるときがあります。

   みなさんも、自分の家から天の川が見えるかどうか、よく見てみてください。


 
 









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