天王星とアルゴル



今日はちょっとマイナーな天体の話です。

   マイナーな天体ですか、何でしょう?

天王星と変光星のアルゴルの話をします。

   天王星ですか。確かになじみが薄いですね。肉眼では見えませんよね。

今は約6等級です。

   肉眼で見えるのは6等星までですから、ギリギリ見えますか?

地上の光の影響がない、大きな街から遠く離れたところに行かないと、6等星は見えません。

   栃木県内では、見えないところの方が多いですね。

6等星が見えるところは少ないですね。天気にもよります。

   そうすると、天王星は肉眼では見えないと言った方がいいですね。

そうなんですが、天王星は11月21日に衝になります。

   衝というと、太陽‐地球‐天王星の順でまっすぐ並ぶのですね。

そのとき、地球と天王星の距離が一番近くなります。明るさも一番明るくなります。もっとも、天王星はすごく遠くにあるので、衝でもそれ以外の時でも、距離は大きな違いではありません。

   衝の時の天王星を地球から見た場合、天王星は太陽の反対側にありますよね。

ですから、太陽が沈むとき東の地平線から昇り、日の出の時に西の地平線に沈みます。今は天王星が一晩中、見られます。

   天王星はどのあたりにありますか?

今はおうし座の中にあって、プレアデス星団(すばる)と並んでいるので、これを目印にして探してください。肉眼では見つけられませんが、双眼鏡を使うと比較的簡単に見えます。高倍率の天体望遠鏡で観察すると、青緑色に見えてきれいです。

すばると天王星


次に、アルゴルの方ですが、ペルセウス座にある星です。

   アルゴルという星は、以前にもお話をうかがいましたが、明るさが変わる星ですよね。

変光星と言いますが、明るさが変わる仕組みはいろいろあります。アルゴルは食変光星と言って、明るい星の回りを暗い星が回っています。普段は2つの星を足した明るさで、1個の星として見えています。ところが、暗い星が明るい星の前側に来て、明るい星を隠すと、全体の明るさが暗くなります。

   なるほど、そういう仕組みで明るさが変わる星なのですね。

19日19時14分にアルゴルが最も暗くなります。普段の明るさの1/3ぐらいになります。

   それなら見てわかりますね。

通常の明るさから最も暗くなるまでに、5時間近くかかります。そしてそこから、元の明るさに戻るのにも5時間かかります。

   そうすると、19時14分に暗くなったアルゴルを見て、そこから明るくなっていく様子を見ればいいですね。

1時間おきぐらいに見ればいいでしょう。

   近くにアルゴルと明るさを比較できる星はありますか?

隣のアンドロメダ座の星でアルゴルに一番近い星、アルマクという名前の星ですが、この星が2.1等星で、明るいときのアルゴルと同じ明るさです。

   ちょうどいいところに同じ明るさの星がありますね。
   19日の19時台なら、見やすい時間帯ですね。

19日の19時14分にアルゴルを見るとアルマクよりも暗いですが、1時間おきに見ると、だんだん明るくなって、5時間後にはアルマクと同じ明るさになります。

   リスナーのみなさんも、明るさが変化する星があることを自分の目で見て、確かめてください。


 
 









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