ファイナルファンタジー ノベルコレクション
短編集 VOL.W
その4
エアリスVSスコール
エアリスは 今日も街角で お花を売っていました。
そこへ少年が一人ちかづいてきました。
「エアお姉ちゃん♪」
「あら、スコール こんにちは、今日も遊びに来たのね。
でも、あなたは この世界の住人ではないの。あまり来てはダメよ。」
「うん、でも オダイン博士が作ってくれたタイムマシンおもしろいんだもん。
ねぇ、エアお姉ちゃん、この花いくら?」
「え? これは10ギルよ。 でもスコールなら
5ギルでいいわ。」
「たっけー![ の世界なら2ギルくらいだよ〜」
<ピシッ!>一瞬、エアリスの眉が引きつりましたが
相手は子供です。
「ホホ、はい、スコール あげるわよ。」
「いらないよ、花なんて欲しくないも〜〜ん。」
<ピ゚シッ!>一瞬、エアリスの唇の端が引きつりました。が、すぐに笑顔を
取り戻しました。
「それより お姉ちゃん、花とフルーツとどっちが好きなの?」
「え?どちらも好きよ。 でもやっぱり お花かな?」
「ふ〜〜ん、じゃあ なんで いちごのパンツはいてんの?」
<ブチッ!>エアリスもついに切れた・・・
かに見えましたが 「ぶつぶつ」と
何か 言っただけで すぐに笑顔に戻りました。
スコールは すでに逃げていました。 頭に何かを乗せてはしゃいでいます。
「や〜い、や〜い、いちごのパンツ〜。」
エアリスは 店じまいをすると、
「ホホ、私は忙しいのよ、さぁ、ライフストリームへ戻らなくちゃ。
バイバイ、いたずらっ子くん。」
優しく微笑むと 立ち去って行きました。
「あ〜、おもしろかった。タイムマシンで帰ろっと。」
お腹をかかえて笑っていた スコールでしたが、やはり頭の上に
何かを乗せていました。 さっきは30でした。
27.26.25.・・・。
そして・・・エアリスの唱えた「死の宣告」がカウントダウンを
始めていたのでした。
―Fin―