気が付けばもう11月になっていた。昆虫採集をしていなか
った頃は、11月と言えばすっかり冬支度に入る季節であっ
た。デパートに足を運べば、店内は赤・白・緑に彩られ、早く
もクリスマスソングが流れている・・。

季節は確実に”冬”へと向かっている。

こんな時期になっても、いまだに甲虫の姿を求めて、休日に
は野山を散策している自分に呆れる。(^^;;

今回は今までのコルリポイントを離れて、少々低めの標高
で新たなポイントを開拓しようと思っている。
材採集に向かうその前に、イチヂクなどルッキングしてキボ
シカミキリの姿を探した。
つい一週間ほど前に、キボシカミキリを採集できた・・と、岩
崎氏が喜んでいたのを思い出して、私もその姿を追ったの
だが、生体を見付けることは出来なかった。

まったく昆虫とは面白いもので、普段は”何処にでも居る虫”
が、いざメインで探すと見付らない・・なんてことが結構多い
のである。(^^;;

そんな昆虫たちの暮らしを、我々はもうちょっとだけ気に止
めて行く必用があるのかも知れない。

今は普通種で何処にでもいるヤツが、ある日突然珍品にな
りかねないのが現在の”日本の自然”なのである。昆虫と我
々人間の暮らしは、本来もっと密接な関係にあったに違い
ない。近代農法或いは都市化と言った人間にだけ都合の好
い農業や町づくりで、昆虫と私達人間の距離感はどんどん
離れて行ってしまったのだろう。
昆虫に限らず自然界の生き物はみんな、そう言ったメッセ
ージを無言のまま我々に訴えているのかも知れない。私達
昆虫愛好家は、そう言った昆虫たちからのメッセージも、し
っかりと受け止めて行かなくてはならないだろう・・。

そして彼等の無言のメッセージを言葉や文字に現して、彼
等の代弁者を勤める事もまた、我等愛好家の使命なのかも
知れない・・。


                    ・・・・・・・・、なんちゃって。

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