さて、そろそろ目的地に向かうとしよう。(^^

里の山へも紅葉の風がゆっくりと吹きはじめた。今回目指
すは、あの峰々・・と言いたい所だが、あそこまで歩いて行
ける自信が無い。(^^;; なにより今回の同行者は息子と悪
友であるからして、あそこまで行くのだ!なんて指差したとこ
ろで付いてくる筈もなかったりする。(^^;;

とりあえずは、眼前に拡がる広大な杉の植林地帯を、抜け
る事を目標にした。まずは行けるところまで車で行って・・と
思っていたら行き成り崖崩れ後に遭遇してしまった。(^^;; 
仕方あるまい!ここからは徒歩で現地を目指す他はない!
と水曜スペシャルよろしく意気揚揚と林道を登り始めた。

・・がしかし、この杉林が事の他手強くて、なかなか先が見え
ず、早くも悪友と息子は『ホントにこんな所で虫が採れるん
かい?』みたいな事を言い出している。

私を信じなさい・・。(^^;;

途中、何かたいそう大きなウンモを林道中央部で発見。まさ
か人間がわざわざこんなところまで来て”キジ撃ち”をする訳
も無く、容易に想像できるのはあの大きなケモノである。(^^;;

ちなにみ、”キジ撃ち”とは現場言葉で”野○ソ”を意味する。

今でこそ現場に仮設トイレは付き物であるが、トイレが無い
場合は物陰や草むらで用を足した訳で、藪に分け入って顔
だけ草むらから出して用を足している姿が、はたから見ると
あたかも草むらに潜んでキジを狙っている姿に似ていたこと
から、”キジ撃ち”と呼んでいるようである。(^^;;

そんな余談は兎も角、こちらは子供連れと言う事もあって、
辺りにその落とし主が居ないか目を凝らしてみる。どうやら、
姿は見当たらないようである。早速棒切れでヤツを裏返しに
掛かる。・・が、何も居ない。(^^;; 糞虫は肉食獣のウンモは
嫌いなのであろうか?

とりあえずはソレを画像に収めたが、何も居ないソレの画像
を載せる必然性が全く見当たらないので、載せるのを止め
たうえにファイルから削除しておいた。(^^;;

何となく最近はそんな画像が多いような気もするが、明くま
でも昆虫採集的季節物であり、一部特殊なアダルト的趣向
とは全く関係がないことを断っておく。(^^;; 

まァ、何となくそんなことをしながらも、黙々と歩みを進めて
行くうちに、要約杉林の向こうに落ち葉のジュウタンが見え
始めた。

延々と続いた杉林を抜けた所に待っていたのは、それはそ
れは見事な滝の姿であった。五段、六段と段々に落ちてい
る滝の姿を見る事が出来ただけでも、充分に今までの道の
りを進んできた甲斐が在ったと思えるほどの、雄大な自然
造形美であった。

しばらく我々はその滝の姿を眺めながら、秋の風に吹かれ
て、心地よい疲労感を味わっていた。

時折森を抜ける秋の風は、紅葉を終えた木々の枯葉たちを
見事な落葉吹雪に替えて、ゆっくりと静かに、森の土に還し
て行くのであった。

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