息子の交通事故・顛末記


2001/ 10月12日(金) 晴れ 夜になって一時 雨

救急外来用診察室での治療が終わったようで、看護婦さんに中に入るように呼ばれた。
いつの間にか静かになった部屋に入ると、
ベッドの上では、治療がすんで顔半分をガーゼにおおわれた息子がぐっすりと眠っていた。
さすがに泣き疲れたか。そりゃそうだ。
顔と尻の擦り傷は、化膿止めを塗ってガーゼを貼っただけの治療だけど、
口の中に裂傷があったので、5針ほど縫ったそうだ。
うわ、聞いただけでも痛そうだ。泣くのも無理はない。僕でも泣いただろう。(^^ゞ

看護婦さんのおっしゃるには、治療が終わってもずっと泣き続けていたんだけど、
なぜに泣き続けていたのかわからなくて困っていたが、
シビンにオシッコをさせたら、すぐに泣きやんで即効で寝ちゃったそうな。
ずっと我慢していて、我慢しきれなくて泣いちゃったらしいんだな。(*^^*)
ついでにオシッコの状態をたずねたら、特に出血は見られなかったって。
良かった。それも心配だったのだ。下腹に車が乗り上げたんだし。

で、そのまま入院の手続きをさせられた。
とりあえず、救急用の個室が空いているので、そこに入ることになり、
様子を見て、大部屋に移ってもらうことになるそうだ。
できるなら、その前に退院したいものだが。

気になったのが、病棟の種類。
単なる外科病棟ではなくて、『脳外科』の病棟に入院なのだ。うわい。そ、そうなのか。

こんな手続きは初めてだから、看護婦さんにはとんちんかんな質問を多々してしまったようだ。
そりゃ、こんな経験がたびたびある方が珍しいでしょうが。困った顔をしないで下さい。(^^ゞ

その間に、息子は爆睡したまま病室に移されていた。
手続きを終えて部屋番号を聞いた僕は、あとからその個室に行ってみた。
部屋は、その病棟のナースステーションのすぐ前の部屋。
こりゃ、看護婦さんを呼ぶのが早くていいかも、と思ったが、
あとでわかったのだが、ナースコールの音が目の前で響き渡り、一晩中うるさくて眠れない部屋であった。

まだしばらくは目覚めそうにない様子を見て、我が家に電話。
お向かいのナースステーションのすぐ横に、公衆電話が設置されていた。
入院の手続きで聞いていた必要な品を、持ってきてもらいたいのが電話の用件。
まだ幼稚園児の息子。付き添いは僕がすることにした。

幸いにも、明日明後日は連休。
その後も入院が続くようなら、10時頃出社で17時には退社して病院直行、という毎日にするしかない。
月曜日からの仕事に支障は出るけど、会社にも理解してもらうことにするしかない。
付き添いを寝起きの悪い妻が担当して、その間の家庭の仕事を僕が担当したら、
お互いに、苦手なことを担当することになってしまうのだ。(^^ゞ

寝間着は、病院で貸し出されるらしいので用意の必要はなし。
いずれにせよ、顔に傷があってガーゼだらけなのだから、
ウチにある、かぶり物しかない本人のパジャマでは、顔の傷に差し障るから役に立たず。
下着の替えと、タオル数枚と、僕の洗面用具と、暇つぶしの本と。あと、保険証と、なぜか母子手帳と。
そういや、入院に必要な物って、案外少ないんだね。
旅行の際に持っていくような大荷物を想像していたんだけどね。(^_^)

夕方、子ども2人を連れた妻が、荷物と共に来てくれた。
聞くと、自分で運転するのが怖かったから、タクシーを使ったんだって。
うん、それでいいよ。僕自身、今現在は、冷静な運転ができる自信が持てない。
どうやら、入院時にかかったこういう必要経費は、あとで相手方の保険会社に請求できるんだって。
だから、タクシー費用とか、入院中の我々の食費とか、もろもろの経費は全て、
レシートや領収書をとっておいた方がいいんだってさ。へ〜。φ(。。 )

それから、一応連絡しておいた、我々2人の実家の親たち
(航にとっては、じーちゃん、ばーちゃん(笑))も見舞いに来てくれた。
この頃には目覚めていた航だが、起きてもずっとボーっとしていて、すぐにまた眠そうになる。
やはり事故がショックだったのか、精神的な疲れからか、
傷ついた身体を少しでも早く癒そうと、本能的に肉体が休息を要求しているのか。

ジジババ達には、とりあえず心配はないということを納得してもらって、安心して帰っていただいた。
そして、夜は僕が付き添うということで、妻らも帰っていった。
何より、病院でもマイペースで騒ぎまくる下のチビがうるさくて、他の入院患者さん達に迷惑なのだ。(^^;

夕食時間になったが航は、事故のショックか食欲がないのと、口の中の裂傷が痛いのと、
そして少しでも早く眠りたいのとで、一口も食べず、ジュースをちょっと飲んだだけ。
食べられるようにならなくちゃ、点滴はとれないから退院できないんだけどねぇ。
ま、今日のところは仕方ないか。

僕だけ、病院の前のコンビニで弁当を買ってきて、食べた。
目の前でうまそうに食べてみせれば、食欲がわくかな?と思ったのだが。
ちなみに、病院の外に出たら、雨が降っていた。ありゃま、傘の用意まではしていなかったぞい。
道路を横断して戻ってくるまで、ダッシュで行くしかなかった。

ここで、親の僕が事故に遭ったら、息子はどうなる?
すぐ隣のベッドに並んで寝ることになったりして。
でも、その方が付き添い用の簡易ベッドよりは寝心地が良さそうだよなぁ。
.....などと考えながら、それでもちゃんと車には注意してのダッシュでした。゙(*^m^*)゙

その後、アレだけ眠ったあとなので暗くなっても寝ないかなという心配も杞憂で、
航は、「もう寝ろ」と言ったら、すぐに眠ってしまった。
ん〜、それでいいんだけど。起きてられないというのは、それはそれで心配だ。(*´_`)

こちらは眠りたくてもすぐには寝られなくて、
寝心地最悪♪の簡易ベッドでただ目をつぶって横たわっているばかりの第一夜。
何よりも、まだ頭への衝撃の心配があるから、100%安心しているわけではない。
(100%安心なら、そもそも入院する必要がないのだから。)
困ったことに、いつもならガキンチョのわりに、寝相が悪く、イビキのうるさい航が、
なぜかこういう夜に限って、静かな寝息で眠っているのだ。身動きひとつせずに。

暗い病室(いや、ナース室の前なので、比較的明るかったが)で、
静かな中(いや、ナース室の前なので、足音とかナースコールの音とか時折うるさかったが)で、
.....航の寝息が全く聞こえないんですよ。これは怖いよぉ。(^^;
寝ている間に呼吸が止まったんじゃないか、なんて考えると、こちとら寝ていられない。
そのたびにガバッと起きあがって、息子の顔に耳を近づける僕。
すると、聞こえるか聞こえないかという微〜かな、
それでも深く、しっかりした寝息をたてているのを確認してホッとして、ベッドに戻る。

いつもはうるさいくらいのイビキをたてやがるくせに、なんでこんなに静かな寝息なんだよ、もう。
大丈夫のはずなんだから、寝息が聞こえないくらいではもう起きないぞ。
と思っても、やはりどんなに耳をそばだてても何ひとつ寝息らしい音が聞こえてこないと、
どうしても心配になって、起きあがって呼吸を確認せずにはいられない。
夜中じゅう、そんなことを繰り返しながら、眠れない夜を過ごしました。(^^ゞ
実際にはもちろん、こちらも多少は眠れたけどね。でも、熟睡はできないよ、やっぱり。

2時間ごとに、看護婦さんがそっと入ってきて、
点滴の状態や、脈拍、呼吸を確認していく。
看護婦さん、ご苦労様です。毎晩のように、こういうご苦労をなさっておられるんですよね。
簡易ベッドに横たわったまま、暗い中、薄目で看護婦さんのお尻♪を見上げながら、
感謝しておりました。(*^^*)

以下、『入院編その2』に続く。<まだ続くんかいっ。<だって、長くなっちゃったんだもん。