
人間は、というか動物はなぜ、息を止めるとこんなにも苦しいのだろうか。
普通の人では1分前後。
訓練した人でも、5分も息ができないとなると、死を覚悟しなければならない。
酸素の供給が絶たれるというのが、それほど生存を脅かすのはなぜか?
飲食物の供給を絶たれるのも充分、生存を脅かすモノだけど、
酸素ほどではないよね。
水無しでは約1週間、水さえあれば食べ物無しでも1ヶ月くらいは生存が不可能ではない。
.....らしい。試す気はないので、実際のところは知らないけど。(^^ゞ
なぜ酸素無し、に比べて飲食物無し、にはこれほど耐えることが可能なのか?
それは、『脂肪』の形でエネルギーを蓄えることが可能だからだ。
なぜ、蓄えることができるような構造なのか。
それはたぶん、食べ物というのはいつでも自由に手に入るものではなく、
進化の過程で、飢えに耐えられる身体が必要とされたのであろう。
それに比べて、よほど特殊な状況でなければ、
酸素の供給が絶たれる事態に陥ることはないと言える環境で進化してきたため、
酸素を蓄える必要のない進化を遂げてしまっただけなんだと思う。
仮りに。地球の環境が、食べ物、つまりエネルギー源は常に供給され続け、
代わりに酸素は、一日のうち8時間ごとに1時間程度しか手に入らない状況にあるとしよう。
そんな状況でまともな進化が続けられるかどうかは気にしないで、
現代と同じ生物進化が起こって、同じ人類が出現したとする。すると、どうなるか。
食べ物を身体に蓄えることができない身体で進化してしまったので、
人間は、常に何かを食べ続けていなければ死んでしまう。
それはまるで、反芻する牛のように、年がら年中口をもぐもぐと動かし続けてなければならない。
そして、1日3回程度の酸素吸入で持たさなければならないため、
身体は皮下に酸素を蓄えられるような構造になっている。
つまり、調子に乗って酸素を取りすぎると、いわゆる空気デブ、の体型になってしまうわけだ。
「ちょっと奥さん。ぱくっ。近頃少し、お太りになられたんじゃなくて?もぐもぐ。」
「あ〜ら、お隣の奥さん。もぐもぐ。おわかりになる?くちゃくちゃ。
ここんとこ、グータラしちゃってて。もぐもぐ。
吸っちゃ寝、吸っちゃ寝、の毎日だったから、もぐもぐ。
すっかり太って、体重が減っちゃって。ごっくん。」
「あら〜、それは旦那の稼ぎが良いからよぉ。かりかりっ。
私なんか、内職で忙しくて、もぐもぐ。おやつ酸素を吸ってる暇もないから、もぐもぐ。
皮下空気なんかちっとも溜まらないから、身体が重くって。んぐんぐ。」
...............
ガキンチョ共が、プールで潜りのため息を止める練習をしている姿を、温かく見守りながら父親は、
もうひとつの人類の可能性について、深遠なる考察を続けるのであった。( ̄。 ̄)

