News に つっこみ

〜 2001年 10月 特別編 〜


     『ブッシュ米大統領の演説』
               日本時間 10月12日 午前9時30分

ブッシュ大統領が11日午後8時半(本時間12日午前9時半)すぎ、
全国民に向けてホワイトハウスから行った演説の全文訳は次の通り。

「きょう、我々の同胞、我々の生活様式、自由そのものが、
 一連の意図的で殺人的なテロ行為によって脅かされた。
 飛行機の中やオフィスで犠牲となったのは、秘書、ビジネスマン、ビジネスウーマン、
 軍や連邦政府の職員……、ごくふつうの父や母、友人、隣人だ。
 何千という命が、この邪悪で唾棄(だき)すべきテロ行為の犠牲となった。

 飛行機がビルに飛び込む光景や、燃える炎、巨大な構造物が崩壊する様は、
 我々の心を、信じられない思いや恐るべき悲しみ、
 そして静かだが決してやむことのない怒りの念で満たした。

 これは我々の国家を混乱と恐怖に陥らせ、退かせようという狙いによる大量殺人だが、
 彼らはすでに失敗している。
 我々の国は強い。我々の偉大な国民は、偉大な国を守るため動き始めている。
 テロ行為は我が国で最も大きいビルの土台を揺らがすことはできても、
 アメリカの土台に手を触れることすらできない。
 鉄骨を砕くことはできても、米国の決意を骨抜きにすることはできない。

 アメリカが標的となったのは我々が世界における自由と機会を示す最も明るい指針だからだ。
 その明かりを消すことは誰にもできない。

 きょうわが国は、人間の性質の最悪の部分、邪悪さを目にした。
 だが、それに対したのは、救急隊員たちの勇敢さ、
 見ず知らずの人々や隣人のために献血などできることは何かないか申し出て来る人々の優しさという、
 米国の最良の部分だ。

 最初の攻撃の直後、私は我が政府の緊急対応計画を発動させた。
 我々の軍は強く、即応できる。
 我々の緊急対応チームはニューヨーク市とワシントンで、
 地元の救援活動を助けるために活動している。
 我々の優先事項はまず負傷者を助け、世界中の米国民をこれ以上の攻撃から守るため、
 あらゆる予防措置を取ることだ。

 我が政府の機能は遅滞なく動いている。
 ワシントンで退避しなければならなかった連邦政府諸機関は、
 今夜、必要人員だけで再開し、明日は通常通りに業務を行う。
 我々の金融機構は強くあり続けており、米国経済もビジネスを再開する。

 この邪悪な行為の背後にいる者たちの捜索は進んでいる。
 私は情報、司法当局に対して、責任ある者を発見し、
 裁きを受けさせるため全力を挙げるよう指示した。
 我々はこれらの行為を犯したテロリストたちと、彼らをかくまう勢力を区別はしない。

 私と共に、これらの攻撃を強く非難する輪に加わっていただいた連邦議会議員各位に感謝する。
 哀悼の意を表し援助を申し出て下さった世界の多くの指導者の皆さんにも感謝する。
 米国とその友邦、同盟国は、世界の平和と安定を求めるすべての勢力と一緒になり、
 テロリズムに対する戦いに勝つために立ち上がる。

 悲しみに泣いているすべての人々、世界をうち砕かれてしまった子供たち、
 安全の概念が脅かされてしまったすべての人々のため、あなたたちも祈ってほしい。

 これらの人々が我々のだれよりも大いなる力によって慰められるよう、私は祈る。
 聖書詩編23編の「死の陰の谷を行くときも、わたしは災いを恐れない。
  あなたがわたしと共にいてくださる」という言葉にあらわされるように。

 きょうは、あらゆる層の米国人が、正義と平和実現のための決意の名の下に団結する日だ。
 米国はこれまでも敵に立ち向かってきたし、今回もそうする。
 我々はこの日を二度と忘れはしない。それでも我々は前進し、自由と世界中の善と正義を守るのだ。

 ありがとう。おやすみなさい。

 神よ、アメリカに祝福を。」

     『ウサマ・ビンラディン氏の演説』
               日本時間 10月8日 午後6時18分

カタールを拠点とする衛星テレビ「アルジャジーラ」が7日、
米英両軍による
空爆開始の直後に放映した、ウサマ・ビンラディン氏の演説全文は次の通り――。

「神の恵みによって、神に従う者は決して敗れることはない。
 私は、唯一の神を信じる。そして、神の預言者はムハンマドのほかにいないと信じる。

 神はアメリカに鉄槌(てっつい)を下され、最も優れたビルのひとつを破壊された。
 アメリカは今、北から南、東から西に至るまで、恐怖に満ちている。神に感謝。

 アメリカが今直面しているものは、我々が何十年にもわたって味わってきたことに比べれば、
 ささいなことだ。わが民族は80年近くにわたり、この屈辱を味わってきた。
 息子たちが殺されているというのに、助けを求めても誰も応えてくれないのだ。

 神は数人のムスリムに対して、前線に立ち米国を滅ぼすよう、
 巨大な破壊を米国にもたらすよう導かれた。彼らの地位を高く召されるよう、私は神に祈る。

 パレスチナやレバノンの地で、我々の兄弟姉妹が受けてきた苦しみに、人びとが報いたとき、
 世界中が叫ぶだろう。

 イラクでは毎日、市民や罪のない子供たちが殺されていくが、誰も助けようとはしない。
 政府の聖職者たちも、何も見解を示さない。

 そして我々は毎日、イスラエルの戦車がジェニン、ラマラ、ベイトジャラをはじめ、
 多くのイスラムの土地に侵入するのを見る。しかし、非難の声は決して聞こえてこない。

 だから8年の歳月の後、米国に刃が振り下ろされた今、世界中が犯罪者のために泣いている。
 彼らは犠牲者に対する殺人を支援したのだ。だから神は、適切な罰を下したのだ。

 事態ははっきりしている。全てのムスリムは今後、異教徒の頭であるブッシュ以下、
 アメリカ政府の者たちと戦わなくてはならない。連中は、人員と機材をもっている。
 連中は、ムスリムのふりをする国ですら、我々に敵対するよう仕掛けたのだ。

 ゆえに、我々は信仰とともに行動する。
 連中は、テロリズムとの戦いの名のもと、イスラムに戦いを挑んだのだ。

 人びとよ、世界で起きた事実を見るがいい。日本では、何十万もの人が殺された。
 しかしアメリカは、これを戦争犯罪とは呼ばない。
 あるいはイラクでも、人びとは殺されている。これは犯罪ではないという。
 わがナイロビでも、ダルエスサラームでも、アフガニスタンでもスーダンでも、人々は殺されている。

 こうした出来事が、全世界を2つの陣営に分断してしまった。信じる者と信じない者の陣営だ。
 ゆえに全てのムスリムは、自身の信仰を守らなくてはならない。

 そして今、変化をもたらす風がアラビア半島に吹き始めた。

 私はアメリカとその国民に告げる。
 神に誓って、我々の土地パレスチナが我々にとって平和で安全な場所にならない限り、
 アメリカは安らかに眠ることはなく、アメリカに住む人々が平和と安全を覚えることはない」

せっかく、話題の渦中の、おふたりの演説の全文が手に入ったので、
記録に残しておきたくて、1ページ使って、公表いたしました。
お要り用でしたら、ご自由に転載なさって下さって、かまいませんです。

これをお読みになったあなたが、ご自分なりのご判断で
感想を持っていただきたいので、
僕自身の感想は差し控えます。言いたいことは
いっぱいあるけど。゙(*^m^*)゙

ただ、ブッシュ氏の演説が、ほぼ全体に渡って
アメリカ一国の事にしか言及していないのに対して、
ビンラディン氏の演説では、
イスラム世界全体はもちろん、
なぜか
日本のことまで引き合いに出していらっしゃるという事が、非常に興味深いです。(^^ゞ