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2日目


昨夜の予定では、今朝もこのお宿の温泉には入らず、
朝ごはんがすんだらすぐチェックアウトし、木賊温泉と湯ノ花温泉をはしごし、下郷へ行くつもりでした。
朝食は8時からなので、逆算してモーニングコールを7時に設定して寝たのです。

なのに5時半に目が覚め、でも普通だったらそのままベッドの中でうだうだしているのに
なぜかカーテンを開けたくなったのです。

で、見たものは・・・
ジャンジャン降りしきる雪と一面の新雪。(>_<)

きれい♪・・・でもどうしましょ・・・ ほぼ同じ所、昨日はこんなだったのに・・・
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私たちの部屋は山肌に向かって窓があるのですが、昨日の雪景色とは明らかに違う積雪量です。
すぐにTVをつけ天気予報を追いかけるのですが、午前中雪、昼から雪または雨、そして夜は再び雪・・・
アクシオンはリフト1本分位上がった、高杖スキー場でも一番上に位置しているホテルで、
国道に出るだけでもかなりの下り坂・・・

・もう1泊する。
・チェーンを購入して車で帰る。
・車を置いて電車で帰り、後日取りに来る。

ああしたら?こうすれば?・・・と走馬灯のように対策方がくるくる浮かぶのですが空回り・・・
頭の中が真っ白になっています。
目が覚めてしまっているし、でも8時まですることも無い・・・
車で帰るにしても1泊するにしても共同浴場のはしごはちょっと無理そう・・・
じゃあ、気を紛らすためにお宿の温泉に入ってきましょう。

大浴場に行くと内湯だけの営業で、半露天風呂はフタがされ利用できないようになっておりました。
なんだか踏んだり蹴ったりですなぁ・・・
それでも加水・加温ながら内湯に身を沈めるとちょっと冷静になれ、成り行きに任せましょ・・・と。

お風呂から上がり、ひと休みしてから朝食レストランへ。
和洋のビュッフェでした。

朝食後、会津高原駅までの送迎バスの時間や、車を置かせてもらう事ができるか・・・とか、
もう1泊する場合の料金など・・・を伺うためフロントへ寄りました。
「実は私夏タイヤで・・・」と切り出したとたん、「あっ大丈夫10時になれば・・・」とあっけない返事。
「今現在、国道に積雪はない」との地元通勤者の新しい生の声も聞け、
外はまだじゃんじゃん降っているし天気予報でも雪だけど、ちょっと安心して部屋に戻り、
チェックアウトの10時までTVと窓の外を交互に見ていました。

でも確かに10時になったら、パラパラ・ひらひらレベルの雪になりました。
10cm程積もった雪をフロントとリアだけ手で落とし、そろそろとホテルの駐車場を出ると
一番心配だった国道までの下り坂にも全く積雪がありませんでした。ホッ・・・

これなら共同浴場に行ける!・・・と、木賊温泉より手前の湯ノ花温泉に行くことに決定♪

湯ノ花温泉の歴史は古く、今から700年前に発見されたと伝えられています。
4軒ある共同浴場の内、「弘法湯」と「湯端の湯」の2箇所は男女別になっているのですが、
「天神の湯」や一番興味のある「石湯」は混浴なので、
法師様を祀っていた場所に開かれたためこの名がついたと言われている弘法湯にしましょう。

湯ノ花温泉・弘法湯(こうぼうのゆ) 外来者200円
福島県南会津郡南会津町(旧舘岩村)湯ノ花温泉 06:00〜22:00
温泉DATA
泉質:単純泉(低張性弱アルカリ性高温泉)、泉温:60.5度、源泉:清滝の湯、湧出量:31.1リットル/毎分


平成11年に改築されているので、腰羽目板張りのきれいな共同浴場です。
玄関を入るとすぐに木の香りのする共同スペースがあり、あちこちにポスターや貼紙がされ公民館みたいです。
休憩用の木製すのこ状の平台や、貴重品用のコインロッカーもあり、
右手前が男性、右奥が女性用で、暖簾のかかった戸を開けると狭い更衣室に続きます。

コンクリートむきだしの洗い場と浴槽
滑りにくく清潔を保てるので意外と良いのかも・・・
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床も浴槽もコンクリートの質素な感じの浴場ですが、少々熱めの源泉がコンコンと湧出し、
そのお湯は無色透明・無味無臭ながらちょっとトロンとし、肌に柔らかくとても気に入りました。
源泉がほとばしり出る湯口は、析出物の白い結晶がガピガピにこびり付き、そんなのも良い感じ♪

長湯すると運転に差し障るので、入浴時間10分程で弘法湯を後にし、一路会津下郷に向かいます。
ここには会津蕎麦の美味しいお店があるらしいので・・・♪
会津荒海あたりから雨になりました。きっと高杖はまた雪なんでしょうね・・・
田島を抜けた頃から雨に白いものが混じるようになってきましたが、もうこんなお天気にも慣れっこになりました。

目指すお店は国道からそれた細い県道にあるのですが、簡単に見つかりました。

農家れすとらん蕎屋(きょうや) 0241-67-3522 (火・水)定休
福島県南会津郡下郷町大字中妻字家の上657
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築200年の歴史ある自宅を古民家風に改築し2006年11月にオープン、
農家だからこその低農薬野菜や米、ソバなど旬の素材をふんだんに使ったお料理を楽しめる店です。
蕎麦屋とはなっていませんが蕎麦が一番人気のようです。「蕎」の字を使うあたりでわかりますね。

囲炉裏ではしんごろうもちが・・・ポインタしてね
お庭を見ながら頂きます ポインタしてね
突き出し
席に座るとすぐ出される突き出しは、桜大根とサラダ。
しんなりよ〜く漬かっているのに上品なお味で、かなり大ぶり拍子切りの桜大根が絶品でした。
写真ではわかりにくいのですが割り箸と比べるとその大きさがわかるでしょうか・・・
品数豊富な細切り野菜たっぷりのサラダも美味しい♪

1品料理として出しても遜色ない、素敵な突き出しでした。しかもサービスなんですよ〜(^^)v

天ざる蕎麦
十割のお蕎麦はもちろん、天麩羅も美味しいとの事だったので、天ざるにしてみました。
さすが十割、蕎麦の香りがしっかり感じられとても美味しいです。湯で加減も◎
甘ったるくないつゆもなかなか。繊細で美味しい蕎麦と蕎麦つゆなので、
「天婦羅用につゆをもうひとつ頂けますか?」とお願いしたら、気持ちよく持って来てくださいました。
しかも天麩羅がつけやすいように浅めの小皿に入れて・・・心配りが温かいです。

天麩羅は、海老、ふきのとう、舞茸、春菊、そしてなんと餅も!
餅の天麩羅は塩で・・・と言うことで、お皿の隅にちょこっと塩が添えられています。

棒鱈 しんごろう
1品料理から棒鱈を頂いたのですが、骨まで柔らかい大きな切り身がふたつもついて¥250でした。
薄味なのにしっかり味がしみこんでいて、お酒で頂きたかったなぁ・・・

下郷に代々伝わる郷土料理「しんごろう」は、長い串にさした俵形のうるち米に、
じゅうねん味噌(すり潰したエゴマ、砂糖、醤油、味噌、酒を混ぜ合わせたタレ)をぬって焼いたものです。
たたきを上がった所の囲炉裏でこんがり焼かれていたのをすでに見ていたので、これも頂きましょう。
ここのしんごろうはうるち米を串に刺し、じゅうねん味噌をぬってから囲炉裏で焼くのです。
私はどちらかと言ったら、
木曽の五平餅風に練りつぶしたうるち米を串に刺して焼き、胡桃味噌をぬってさらに焼く方が好きかも・・・
じゅうねん味噌も色々あるのでしょうが、ここのは味噌等が少なめの上品な甘さなので、
私は味の濃い胡桃味噌の素朴な五平餅の方が好きかもしれません。
でもこれはこれで美味しかったです。1本130円というのも良心的な値段ですね。

トイレもお庭もきれい、至る所に生花がさりげなく活けてあり、お店の人も感じが良いです。
満足して蕎屋を後にし、食べてばかりじゃなんなので^^; ちょっと観光でもしましょうか。


塔のへつり
1943年に、河食地形の特異例として国の天然記念物に指定されています。

へつりとはこの地方の方言で、「切り立った危険な崖」という意味、
塔のような形をしたへつりが並ぶことから「塔のへつり」と名付けられたそうです。
なんと100万年もの歳月をかけて、大川(阿賀川)沿いの凝灰岩が浸食と風化を繰り返し、
この見事な景観を作り上げたと言われています。
ぎしぎしと揺れる吊橋を渡れば、対岸の奇妙なへつりの溝に行く事ができます。
全長200mにわたって大規模な奇岩が整列しており、それぞれの奇岩には名前がついています。
奇岩の名前はこちらから・・・

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段々お天気が良くなり、時々陽も射してきました。
でも高杖方面の山は白く霞んでいるので、また雪が降り出したようです。
往路に立ち寄った道の駅「会津西街道たじま」でトイレ休憩方々お買い物、
只見名物のトチ餅や会津駄菓子などを購入し、来た時と全く同じ道を帰りました。


* * * * *


後 日 談

帰宅した翌日、関東地方から東北地方にかけて春の嵐のような強い風の吹きまくる1日でしたが、
会津では強風や降雪で通行止めの道路が何箇所かあったそうです。
もう1泊なんて事になっていたら、もう2泊になっていたかもしれません。


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