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Novel Home(鵬学院高校)
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――「学祭」 0話。
「斎希君、僕の母校の学祭があるんだけど、行ってみるかい?」
適当に集めた高校のパンフレットを流し見ていた明松 斎希(かがり いつき)は、その言葉に顔を上げた。
「寛さんの母校?」
「うん。鵬(おおとり)学院高校っていうのだけど」
見ている資料の中になかったかな? とやんわり叔父である鳥遊 寛(たかなし ゆたか)が聞く。
「鵬? ちょっと待って。確か――」
バサバサと積み上げたパンフレットの山を漁り、
「あった。これ?」
シンプルな、しかし細部まで拘っていそうなパンフレットを取り出す。
「そう、それそれ。迷ってるなら、試しに遊びに行ってみないかい? ガイドするし」
「……そうだね。行ってみようかな。まだどこの高校にも足を運んだことがないし」
「じゃあ、決定だね」
どこか嬉しそうに叔父は笑う。
「せっかくだから、初良(そら)君の予定も聞いてみるか」
「ん? 初良も誘うの?」
ふと出た、叔父の義理の息子の名前に、パンフレットから顔を上げた。
「うん。こういう機会でもないとこっちに来れないからね。特に一緒に遊ぶなんて滅多に出来ないことだし……」
「ああ、そうだったね……」
「じゃ、早速」
どこかうきうきとした様子で携帯を取りだした叔父の様子に、初良と会いたかっただけなのかなとちらりと思いつつ、スケジュール帳の確認をした。
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2006.09.15 Last Up, Copyright© Setui, All Rights Reserved.
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NOION