直接的指導における小中学校連携の在り方
部落差別を解消していくことができる基礎的な能力や態度を養うためには,
小・中学校の9年間を見通し,小中学校が連携し合って,一貫性のある指導を
展開することが大切である。さらに児童生徒の発達段階を踏まえ学習内容・方
法等をより効果的なものにするため,継続的,発展的な指導の必要性もある。
そのため,調査研究部会では,大平南小の直接的指導の実践を元にしながら
指導内容・資料・用語などについての話し合いを行った。さらに,10月5日
の南小の授業研究会は,中学校の同和教育推進教員が参観し,小中学校の連携
について話し合いを行った。
学習指導案( Web (16KB) )
1 調査部会での話し合いから
これまでの大平町及び本部会の研究を活かすために,本部会が授業に使える
資料として作成した「武士に抵抗した清蔵」を使い,一昨年度大平西小で実践
された授業も参考にしながら,児童の実態に合わせた授業の展開を工夫した。
本部会での指導案検討会では,「さらに低い身分とされた人々」等の用語の
統一や,教師がつかませたい内容をきちんと盛り込んだ資料作りの工夫,指導
内容,方法などについて改善すべき点が指摘された。授業の内容については,
ページの指導案を参照していただきたい。
2 授業及び話し合いから
授業の中心はグループごとの児童の話し合いだったが,各グループとも活発
な話し合いを展開した。
特に,裁判の判決で「差別は悪いことだ」ということを頭では分かっている
ので,ほとんどの児童が役人の立場や時代背景などを考えずに,簡単に「清蔵
の言うことが正しい」という判決を下してしまうのではないかという心配もさ
れたが,実際には「清蔵の主張は正しい」と言う意見と「役人の主張が正しい」
と言う意見が半々だった。児童が清蔵の置かれた立場だけでなく,役人の置か
れた立場や時代背景などを考え,話し合いをしていたことが伺える。
そして「今後の予想」では,「差別や身分制度に清蔵が立ち向かう」,或いは
「立ち向かうべきだ」と言う児童も見られた。
授業後の参観者との話し合いでは,次のような意見が出された。
・話し合いが良くできていて,小学校の授業が参考になった。
・資料の活用方法は良かった。
・清蔵の行動を社会の変化と結びつけて考えさせると,色々なことがもっと
見えてきたのではないか。(特に農民との関係)
・この資料から読みとれる「さらに低い身分とされた人々」のプラスイメー
ジをもっと確実におさえられると良かった。
(経済力,ルールに従った行動等) |
最後に,今年中学校の教員による小学校の授業参観を行ったが,このことによ
って新たに認識できたこともあり,小中の連携を図るための第一歩になったので
はないだろうか。また,大平町の特色の一つである,「武士に抵抗した清蔵」の
資料を使っての授業が実践され,事前に本部会での指導案検討会が持てたことも
小中の連携を図る上で,また,同時に小学校同士の連携や中学校同士の連携を図
る上でも有意義だったのではないだろうか。「武士に抵抗した清蔵」の資料は小
学校でのプラスイメージ作りに有効なものと考えられる。小学校でプラスイメー
ジを作り,さらに中学校でそれを強化,発展させていくことが大切である。その
ためにも,今後,小学校での5時間の直接的指導の時間を,どう中学校の指導と
結びつけるか,各指導内容ごとの大平町における連携のプラン作りが課題となる
のではないだろうか。また,今年は中学校からは同和教育推進教員のみの参観と
なったが,今後なるべく多くの教師の参観ができるよう拡充を図ること,そのた
めにも,参観を継続していことが大切であると考える。
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