おうし座

おうし座は黄道12星座のひとつで、誕生日が4月21日~5月21日の人はおうし座生まれ。でも、おうし座がよく見える時期は秋から冬。自分の誕生日に自分の星座は見えません。この話は、去年の7月15日放送分の黄道12星座を参照してください。

おうし座は前半分しかありません。その理由にまつわる神話があるわけではなく、星座を考えた人が半分でも牛の形はわかるので、それでいいことにしたのでしょう。同じようにペガスス座も前半分しかありません。

「ステラナビゲーター9」にて作成

今現在は、おうし座の中に木星がいます。おうし座の中で一番明るいアルデバランよりもずっと明るいので、これが一番目立ちます。でも、本来のおうし座の中にある天体で一番は、「すばる」でしょう。雄牛の左肩にあります。「すばる」というのは日本語。それも平安時代にはすでにあった古い言葉です。ですから「すばる」とひらがなで書くのが正しい。もちろん漢字で「昴」と書いてもいいですが、カタカナではありません。
清少納言が書いた枕草子に「星はすばる。ひこぼし。ゆふづつ。よばひ星。すこしをかし。・・・」という一説があります。「星といえば、すばる、ひこぼし、宵の明星がいい。流れ星も少し趣がある。」みたいな意味です。すばるは昔からきれいな天体という認識だったのですね。

これは散開星団と呼ばれる天体で、一緒に生まれた若い星の集まりです。星が生まれるときには、一カ所にたくさんの星がまとまってできることが多いのです。肉眼で見ると、目が悪くなければ星が6個ぐらい見えます。六連星ともよばれていて、自動車メーカーのスバルのマークはこれをモチーフにして作られました。六連星は「ろくれんせい」ではなく「むつらぼし」と読みます。

写真を見ると明るい星の回りに雲のようなものが写っていますね。これはすばるの星とは関係ない宇宙空間を漂うガスやチリが、星の光を反射して光っています。
日本では昔からすばると呼ばれてきましたが、欧米名はプレアデス。
双眼鏡で見ると肉眼では見えない暗い星まで見えるので、数十個の星の集まりであることがわかります。

すばるともうひとつ、木星を挟んで反対側、アルデバランの周りにも星の集まりがあります。星がV字型に並んでいます。こちらはヒアデス星団。距離的に地球に近い位置にあるので、大きく広がっています。

おうし座にはもうひとつ、「かに星雲」という天体があります。雄牛の下側の角の先にあります。約千年前に爆発した超新星の残骸です。星が爆発して宇宙空間に飛び散っていく様子をリアルタイムで見ているわけです。これは大きな望遠鏡でないと見えないので、機会があったらどこかで見せてもらってください。

かに星雲 (北澤直彦氏撮影





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