双眼鏡


ベリークラシック・コズミックジャーニーで紹介している天体の中には、肉眼では見えないけれど、双眼鏡で見ればよく見えます、といものが時々出てきます。双眼鏡で見ると、肉眼では見えない暗い天体まで見えます。星を見るために双眼鏡が欲しいと思っている方もいると思います。今日は、そういう方のために、星を見るための双眼鏡はどういうものを選んだら良いか解説します。

双眼鏡と言っても、たくさんの種類があります。その中のどれを選んだらいいのかというのは、難しいですよね。
星を見るための双眼鏡というのは、特別なものなのかというと、そんなことはありません。星を見るのに適した双眼鏡は、室内・夜間のコンサートや演劇・歌舞伎などを見るためにも使えます。それ以外でも、何に使っても大丈夫なオールマイティーな双眼鏡です。



では具体的に、どういうものを選べばいいでしょう?
たとえば、大きさや形が同じで、値段も同じくらいの双眼鏡で、倍率が6倍と10倍があったとします。皆さんはどちらを選びますか?
この場合は絶対6倍です。10倍は全く選択の対象外です。倍率は低い方がいいのです。双眼鏡でも、天体望遠鏡でも、顕微鏡でも、倍率が低い方が明るく見えます。そして、広い範囲が見えます。ピント調整も楽です。倍率が高いと手ブレが起きます。
手ブレというのは、双眼鏡は手で持って見るわけですが、手は少しですが震えます。それが双眼鏡で拡大されて、星を見たとき、ゆらゆら揺れてしまってすごく見づらくなります。人によっては、船酔いみたいになることもあります。倍率が高いほど、そうなるわけです。
夜空は暗いので、出来るだけ明るく見える双眼鏡がいいです。ステージを見るにも、出来るだけ明るい方がよく見えるので、同じものが使えます。光学機器のことをよく知らない人は、倍率の高い方を選んでしまいそうですね。双眼鏡も望遠鏡も、倍率が高いほどよく見えると思っている人が多いようです。実際は、逆なんです。ただし、双眼鏡を三脚に固定して観察するなら、10倍以上の倍率でも大丈夫です。星の場合、三脚に載せてしまうと、真上付近が見られなくなります。

では、倍率は何倍ぐらいがいいのでしょう?
手で持ってみるなら8倍以下です。6倍ぐらいが一番いいと思います。対物レンズの直径も大切で、25mmから45mmぐらいがいいでしょう。レンズは大きければ大きいほど、明るく見えます。でも、大きすぎると重くて疲れるし、持ち運びにも不便です。レンズの直径が30mmぐらいで、6倍が一番使いやすいと思います。この双眼鏡は「6x30」という表示になっています。6xの部分が倍率で、30がレンズの直径です。6x30ならオールマイティーで、何を見るにも便利に使えると思います。金額的には2万円以上と思ってください。それ以下のものは、「おもちゃ」に近いです。

おすすめはこちら (画像をクリックしてください)

ヒノデ 6x30-B+(ビープラス)

6x30-B+(ビープラス)がいいでしょう。これらは一般のお店では売ってなくて、通信販売でしか買えません。しかし、2万円台の双眼鏡では、一番よく見えると思います。持ち運びに便利な小さいものが良ければ、A4かS1もよく見えます(ただし、見える星の数は少なくなります)。

前記の手ブレをキャンセルしてくれる双眼鏡もあります。星を見るために使える手ブレ補正双眼鏡は、実質的に1機種しかありません。下の写真のキヤノン製品です。たいへん高額なうえ、大きめで重いですが、星を見るための双眼鏡としては最高の一台です。

キャノン  10×42 L IS WP


ベリークラシック・コズミックジャーニーでは、以前にも双眼鏡の話を書いています。こちらも参照してください。

   http://www.cc9.ne.jp/~lynx/cosmic/120923.html








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